PHPの特徴
PHPはサーバーサイドのスクリプト言語で、WebサイトやWebサービスの開発に適した言語として世界中で使用されています。PHPの誕生は1994年にまで遡り、カナダ人のプログラマであるラスマス・ラードフによって開発されました。誕生初期のPHPは今のようなプログラミング言語ではなく、C言語をベースとした単純なCGIという立ち位置でした。そのようなPHPがプログラミング言語としての機能を備えるようになったのは1998年頃からといわれています。その後、2004年にPHP5がリリースされ、オブジェクト指向機能が大幅に強化されました。
PHPの最も顕著な特徴としては、WebサイトやWebサービスを動的に表示可能な点です。Webサイト内にPHPを埋め込むことで、外部要因によって多様に変化する流動的なWebページを表示できます。データベースの情報やユーザの入力内容をもとにWebシステムを作成可能なため、プログラム側で表示するコンテンツを動的に構成できるのです。このような特性から、PHPは動的なWebサイト制作やECサイトの構築、コンテンツ管理システムの開発などに用いられます。
PHP案件 フリーランスに将来性はある?市場動向とニーズについて
フリーランスエンジニアにとって、習得言語の選択は非常に重要なテーマです。どれだけ優れた技術と知識を備えたフリーランスエンジニアであっても、扱うプログラミング言語の需要がなければ案件の獲得は困難といわざるを得ません。したがって、フリーランスエンジニアとして活動していく場合、最も気になるのはPHPの需要と将来性でしょう。結論からいえばPHPは今後も需要が伸び続けると予測されるため、十分な将来性が期待できます。
PHPはWebサイト制作やWebサービスの開発を最も得意としており、CMSやECサイトの構築、アプリケーション開発などにおいて欠かせない言語となっています。Web分野に強いという点がPHPの最も大きな武器であり、流行り廃りが激しいプログラミング分野において、25年以上も淘汰されることなく使用され続けてきました。今やインターネットは社会の基盤となるインフラであり、Webサイトの重要性は年々高まっています。
加えて、PHPの需要が伸び続けると予測される根拠のひとつが、WordPressで採用されている言語であるという点です。世界中のWebサイトのおよそ40%はWordPressで構築されています。WordPressはHTMLとCSS、そしてPHPによって構成されているため、Webサイトの作成やリニューアル、コーディングや機能追加など、さまざまな業務の需要が存在しているのが特徴です。世界で最も利用されているCMSの主要言語という点は、PHPがもつ最大の強みといえます。
フリーランスエンジニア向けPHP案件の単価相場
PHPはデータベースとの連携が容易であり、記述の自由度も高いため、Web制作以外でも業務システムやアプリケーション開発などに用いられる機会の多い言語です。汎用性に優れる言語のため、さまざまな案件が存在しています。たとえば、不動産管理会社や保険会社向けのシステム開発や、医療機器関連のECサイト構築などが挙げられます。PHPを用いた業務システムの開発から運用までを請け負う案件であれば、500,000〜650,000円/月が単価の相場といえるでしょう。ECサイトの構築であればWebサイトの規模によって大きく変動しますが、400,000〜600,000円/月が一般的な単価の相場とされています。
PHP案件を取得するのに必要なスキルは?
組織というバックボーンがないフリーランスエンジニアが、案件を獲得するのは容易ではありません。企業のような広告戦略を展開する資金も営業網もない場合がほとんどです。では、どの程度のスキルがあればフリーランスエンジニアとしてPHP案件を獲得できるのでしょうか。最低限でもHTMLとCSSで構築されたWebサイトの作成や、PHPを実装できる技術と知識は必須です。JavaScriptやSQLなども習得しておきたいスキルといえます。WordPressに関する深い知見も不可欠といえるでしょう。
Web制作以外の分野では、業務系アプリケーションの開発やECサイトの構築といった案件が多い傾向にあります。バックサイドでのデータ処理環境の構築や保守・管理といった案件も多いため、サーバーサイド開発やデータベース系のスキルも求められます。また、LaravelやCakePHPなどの知名度の高いフレームワークへの理解も欠かせません。そして、将来的にはPHPのリプレイス案件が増加する可能性があるため、人気が高く需要も多いPythonやRubyを習得できれば、案件獲得と単価の幅が大きく広がります。
PHP案件の勤務条件は?
フリーランスエンジニアは基本的に業務委託契約で仕事を請け負うため、勤務条件は比較的自由な場合がほとんどです。そのため、在宅勤務やリモートワークが可能な案件が多い傾向にあります。フルリモートではなく一部リモート可能という案件もありますが、常駐を要求されるケースは少ないといえるでしょう。フリーランスエンジニアに求められるのは結果であり、基本的に就業時間や勤務態度などは問われません。しかし、それは裏を返せば、結果が伴わなければ案件獲得に至らないという、厳しい働き方であることを意味しています。
PHPの勉強方法 難易度は?
PHPの習得難易度は決して高くはありません。PHPはスクリプト言語と呼ばれる、可読性が高く比較的書きやすい言語です。そのため、JavaScriptと並び、一般的にプログラミング初心者におすすめの言語として紹介されています。C言語をもとにして開発されたJava、組み込み系のシステムなどで使用されるC++、統計解析処理などに用いられるRなどと比較すると、PHPは習得が容易な言語といえるでしょう。プログラミング未経験の方がPHPを勉強するには、書籍による基礎文法の学習と「ドットインストール」や「Progate」のような学習サイトの併用がおすすめです。そして、PHPの基礎文法を習得した後は、変数や条件分岐、ループ処理やファイル処理、といったように順番にステップアップしていきましょう。
PHP案件の獲得に活かせる資格とは?
主にフリーランスエンジニアに求められるものは技術・知識と経験であり、資格の有無を問われるケースは多くありません。しかし、資格を取得することでエンジニアとしてのスキルを客観的に証明できるため、案件獲得において有利に働くというメリットがあります。また、実績が少ないフリーランスエンジニアであればクライアントへのアピールにつながるでしょう。
そうしたPHPの資格試験として知られているのが「PHP技術者認定試験」と「Zend PHP Certification」の2種類です。PHP技術者認定試験は、一般社団法人PHP技術者認定機構が主催する試験であり、日本国内での知名度が非常に高い資格です。Zend PHP Certificationは、国内における知名度はPHP技術者認定試験に劣りますが、全世界共通の試験なので国際的に効力を発揮する資格といえます。
PHP案件の求人 未経験者でも応募できる?
PHP案件を未経験のフリーランスエンジニアが獲得するのは簡単ではありません。フリーランスエンジニアの求人サイトを見ても、「PHPを用いた開発実務経験3年以上」や「PHPでのWebシステム開発経験」といった条件が記載されています。なかには「Javaを用いた開発経験3年以上」といった複合された高度なプログラミング経験を求められる案件もあります。しかし、案件に提示されている経験年数や開発経験を満たしていなくても、問い合わせなどを行うなかで、発注企業の担当者へ自身の技術と知識をアピールできれば、案件獲得のチャンスも生まれるでしょう。