サーバーエンジニアの案件について
スマートフォンの普及に伴い、サーバーエンジニアのニーズが高まり、求人も増加しています。サーバーエンジニアの平均年収としては、20代で400万円、30代で500万円くらいですが、業務形態やスキル、経験によって変わります。
CCNAやCCNPなどの専門の資格を持っていれば、より年収アップが見込めます。 経験を積み、ネットワークエンジニアとしての役割を並行して担う、という形もあります。サーバーは、Webサーバーやメールサーバー、DBサーバ、アプリケーションサーバー、ファイルサーバー、プリンタサーバーなどいくつかの種類があり、各々求められる技術や知識も多少異なります。
Webサーバなら、OSの知識以外、Apacheをはじめとするネットワークとセキュリティの知識が必須で、WindowsやLinuxなどOSごとの知識も必要となります。アプリケーションサーバーなら、OSの知識以外、ネットワークとセキュリティの知識も必須で、クライアントサーバシステムのサーバとなるため、アプリケーション開発の知識も求められます。
サーバーエンジニアとしては、全般的にLinuxやWindows、UNIXでのサーバ設計や構築・運用の経験や知識、セキュリティの知識が必要不可欠で、最近は仮想化技術も必要となります。初めのうちはサーバーの監視・運用などの業務からスタートし、キャリアを積んでから上流工程のサーバー設計にキャリアアップする、という形が一般的なようです。
サーバーエンジニアの特徴
「サーバーエンジニア」とは、コンピュータシステムを運用するために欠かせないサーバーの設計や構築、または運用・保守を専門に担当するエンジニアです。まず、エンジニアとは「engineering(工学)」に関する、高い技術と深い知識を持つ人材を指します。工学とは、基礎科学と呼ばれる数学と自然科学を基礎として、公共の安全や福祉活動、あるいは工業生産に応用する学問です。
日本では、エンジニアというとIT技術者全般を指す総称として使用される傾向にあります。しかし、本来「engineer」とは「技術者」ではなく「工学者」と訳される言葉であり、「工学に関する専門的な知見を備えた人材」をエンジニアと呼称します。そして、「information technology (情報技術)」に関わるエンジニアを「ITエンジニア」と呼び、その中でもサーバーの構築や運用を専門とするプロフェッショナルが、サーバーエンジニアです。
サーバーエンジニアの主な業務領域は、顧客の要望に合わせてサーバーの容量や必要なアプリケーション、セキュリティポリシーなどを設計することです。サーバーには種類に応じた役割や目的があり、顧客の事業形態やコスト、システムの拡張性や安全性、突発的な負荷急増に備えた冗長化など、さまざまな条件を考慮して設計しなくてはなりません。そのため、工学や情報技術の深い知識や高い技術はもちろん、マネジメントに関する知見も求められます。
そして、設計に基づいてOSとアプリケーション、その中心となるミドルウェアをインストールし、サーバーを構築して稼働可能な状態にセッティングします。サーバーの稼働環境を整備するために、機器の配線やラッキングを実施することも重要な業務です。サーバーを適切に配線でつなぎ、保温・保冷環境を整備して、サーバーが正常に稼働し続けられる環境を作り上げていきます。サーバーを構築するのはもちろん、安全かつ継続的に運用できるように監視や保守なども実施します。このように、サーバーの設計から運用・保守に至る全プロセスを総合的に担当するのが、サーバーエンジニアの役割です。
サーバーエンジニア案件 フリーランスに将来性はある?市場動向とニーズについて
20世紀後半に起きたIT革命は、社会や市場に大きな変革をもたらし、今やインターネットの活用なくしてビジネスの発展はあり得ない、と言っても過言ではありません。特に、自社でソフトウェア開発やアプリケーション開発に取り組んでいるIT企業にとって、サーバーは事業の生命線といえる重要なシステムです。そのため、サーバーに関する高度な知見を備えたサーバーエンジニアは、非常に重宝される存在といえます。
また、近年はIT業界以外でもデジタル化が加速しており、統合基幹システムのERPや顧客関係管理システムのCRMなどを導入している企業も多く、こうした各種システムの運用基盤として、自社にサーバー環境を構築している企業も少なくありません。このような企業にとって、サーバーエンジニアは非常に貴重な人材であり、今後も高い需要が見込めると予測されます。
ただし、時代の流れはクラウドファーストへと加速しており、ITインフラのクラウド化が進みつつある点に注意しなくてはなりません。「Amazon Web Services」や「Google Cloud Platform」、「Microsoft Azure」などが台頭し、自社システムの運用基盤を、オンプレミス環境からクラウドプラットフォームへ移行する企業が増加傾向にあります。クラウド化が進めば、物理サーバーやネットワーク機器などの保守業務が不要になるため、サーバーエンジニアの需要は減少していくでしょう。
しかし、どれだけクラウド化が進んでも、物理的なサーバーが完全に不要になる、とは考えにくいといえます。例えば、企業の基幹業務を統合管理するERPシステムは、セキュリティの関係上、自社運用の閉鎖的なオンプレミス環境が好まれる傾向にあります。オンプレミス環境からクラウド環境へとシステムを移行するためには、膨大な作業量と費用が必要であり、移行したくてもできない企業もあるでしょう。
オンプレミス型には、クラウド型にはない独自のメリットがありますが、クラウドファーストが加速しているのは事実です。そのため、企業の情報システム部門に属するサーバーエンジニアは減少していくと予測されます。しかし、企業で正社員として雇用するのは難しくなるものの、サーバーエンジニアの需要そのものがなくなる可能性は低いといえます。よって、案件やプロジェクトごとに契約する、フリーランスのサーバーエンジニアの需要が高まっていく可能性が大いにあると見込めます。フリーランスとして活動していくのなら、サーバーエンジニアは時代の潮流や市場動向に適した働き方です。
フリーランスエンジニア向けサーバーエンジニア案件の単価相場
先述したように、クラウド化が進むことで物理的なサーバーやネットワーク機器などの保守業務が減少し、企業の情報システム部門は縮小傾向にあるものの、フリーランスの需要は高まっていくと予測されます。働き方改革の推進によって、多様かつ柔軟な働きが推奨されていることもあり、フリーランスという生き方を選択するITエンジニアが増加傾向にあります。
フリーランスは基本的に、プロジェクト単位や案件単位での契約で働き、正社員のように継続的な雇用や保証が存在しません。しかし、その分単価は高い傾向にあり、サーバーエンジニアの平均的な単価相場は、1ヶ月あたり60万円前後とされています。もちろん個人のスキルや実務経験、契約する企業や案件によって変動するものの、下は約30万円、上は約135万円が一般的な単価の相場です。
具体的にいえば、サーバー構築の上流工程と下流工程で、単価が異なってきます。サーバーの要件定義や基本設計、詳細設計、プログラム設計などの上流工程は、単価も高い傾向にあります。しかし、実際にプログラムを書くコーディングやシステム構築における各種試験などの下流工程は、上流工程と比較すると単価は低くなりがちです。上流工程や大規模なサーバー開発などのマネジメント経験があれば、非常に高額な報酬を得られる点が、サーバーエンジニアの魅力といえるでしょう。
サーバーエンジニア案件を取得するのに必要なスキルは?
サーバーエンジニアの業務範囲は非常に幅広く、OSだけ見てもWindowsやLinux系、あるいはUNIX系といった種類があります。そして、サーバーにもWebページをクライアントに表示する「Webサーバー」、Webサーバーにファイルを送受信する「FTPサーバー」、メールの送受信を管理する「メールサーバー」、IPアドレスとドメインを結びつける「DNSサーバー」など、数多くの種類が存在します。
例えば、私たちが普段利用しているWebサイトやWebサービスはサーバー上に構築されており、インターネット上のサービスを利用するためには、サーバーの安定的な稼働が欠かせません。サーバーとは、ファイルを保管する倉庫のような役割を持っており、要するにネットワーク上でデータを提供する側のコンピュータを指します。そして、クライアントからの要求に対し、サーバーがデータファイルを転送することで、Webサイトが表示されます。サーバーエンジニアとして案件を獲得するためには、こうしたOSの知識やWebの仕組み、サーバー周りなどに関する知見が不可欠です。
また、クラウド化が加速する現代市場において、サーバーエンジニアとして活躍していくためには、工学と情報通信のスキルだけではなく、クラウドコンピューティングサービスに関する深い知見が求められます。特に「Amazon Web Services」「Google Cloud Platform」「Microsoft Azure」などの、主要なクラウドプラットフォームに関する知識と技術は、必須と言っても過言ではありません。新しい時代を見据えて、スキルを獲得していく努力を怠らなければ、サーバーエンジニアは今後も高い需要が見込める職種といえます。
サーバーエンジニア案件の勤務条件は?
フリーランスのサーバーエンジニアとして案件を獲得するためには、いくつかの条件を提示されるケースが多くあります。もちろん案件の内容によりますが、最低でも1年以上のサーバー設計・構築・運用の経験が求められるのが一般的です。フリーランスのITエンジニアの求人案件を見ると、「Windows・Linuxサーバーの構築経験3年以上」「サーバーおよびストレージ製品の設計構築経験」「ESXiの設計構築経験2年以上」「要件定義または基本設計工程の経験」などといったスキルが求められています。
その他にも、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどのクラウドプラットフォームでのインフラ構築経験を、必須スキルとしている案件もあります。こうした案件が約70万円前後で提示されており、高い報酬を得られる代わりに、高度な知識と技術が求められる業務といえるでしょう。具体的な勤務条件としては、これらの業務を精算幅140~180hで、契約期間は即日から長期までといった条件が平均的です。勤務時間に関しては9:00~18:00、もしくは10:00~19:00といった時間帯が多く、服装はビジネスカジュアルを指定している企業が多い傾向にあります。
サーバーエンジニアの勉強方法 難易度は?
サーバー周りの設計や保守を担当するサーバーエンジニアは、一般的に独学で学ぶ人材が多い傾向にあります。もちろん、大学や専門学校で情報工学やコンピュータサイエンスの基礎を学ぶことも有効な選択です。もし、知識ゼロから独学でサーバーエンジニアを目指すのなら、WindowsやLinuxなどのOSインストールといった基礎から学ぶ必要があります。決して低い難易度ではありませんが、書籍やWebサイトなどを活用し、OSやサーバー構築に必要な技術や設計の基礎を学びましょう。
ITエンジニアの勉強会や交流会に参加することも、非常に重要な勉強方法です。同じ業界で働くITエンジニアと交流を図ることで、書籍やWebサイトからは得られない情報を学べるとともに、人脈の幅もぐっと広がります。さまざまな立場のITエンジニアからの意見を聞くことによって、知見が広がりスキルアップにつながります。
サーバーエンジニア案件の獲得に活かせる資格とは?
サーバーエンジニアとして活動するために、特別な資格は必要ありません。しかし、資格を保有することで高度な技術と知識を持つ証明となり、案件を獲得する上で有利に働きます。例えば、「LinuC(Linux技術者認定資格)」は、Linuxサーバーの知識と技術を証明する資格です。LinuCはレベル1からレベル3まであり、試験範囲と難易度がそれぞれ異なります。レベル1であれば必要学習時間は1〜3ヶ月程度、レベル2は3ヶ月から半年程度とされ、レベル3になると約1年程度の学習時間が必要です。
その他には、Windows Serverに関するスキルを認定する資格の「マイクロソフト認定資格」や、ITエンジニアの登竜門としても位置づけられる「基本情報技術者試験」などの資格が挙げられます。特に、基本情報技術者試験は経済産業省が主催する国家試験「情報処理技術者試験」の一つであり、ITエンジニアとしての知識や技術を示す上で、大きな効力を発揮します。比較的難易度の高い試験ですが、知名度が高いため問題集や参考書が多く販売されており、試験対策はしやすいといえるでしょう。
サーバーエンジニア案件の求人 未経験者でも応募できる?
サーバーエンジニアは、WidowsやLinuxなどのサーバー環境を中心として、OSやミドルウェア、セキュリティやデータべースなどの設計・構築などを担当します。企業のITシステムの運用基盤となるサーバー環境を整備する業務をこなすため、高度な技術と知識が求められます。フリーランスエンジニアの求人サイトを見ても、サーバーやインフラ周りに関する、一定の実務経験が必須となっている案件が多い傾向にあります。
そのため、未経験のサーバーエンジニアが案件を獲得するのは、簡単なことではありません。まずは、企業の従業員としてサーバーの構築補佐や運用保守といった初歩的な業務からスタートし、少しずつ経験を積んでキャリアアップしていく必要があります。または、先述したITエンジニアに関連する国家資格「情報処理技術者試験」の資格取得を目指すことも有効な方法です。フリーランスのサーバーエンジニアとして活躍するためには、当然ながら高い技術と深い知識が求められます。まずは、一歩ずつ確実にステップアップしていきましょう。