Vue.jsの特徴
「Vue.js」とは、UI(ユーザーインターフェイス)を構築するのに必要な、「JavaScript」のフレームワークの一種です。「Angular」や「React」などと同様に、Webのフロントエンド開発で活用されており、シンプルなコードで求めている機能の実装が可能です。アプリケーションを作成する要素となるコンポーネント、つまり部品を再利用することで、開発業務の効率化・簡易化を目指せます。
メリットとして、他のフレームワークと比較すると、規模が小さいため、学習コストが低いことが挙げられます。あらかじめJavaScriptの知識を保持していれば、習得はそう難しくありません。AngularやReactの場合は、JavaScriptの他に、「JSX」や「TypeScript」といったプログラミング言語を、追加で学ぶ必要がありますが、Vue.jsは覚えることが少なく済みます。
開発に関して、小規模なものから大規模なものまで、幅広く対応できる仕様になっている点も、Vue.jsの特徴の1つです。拡張性の高い柔軟なフレームワークとして、他のライブラリとも組み合わせやすくなっています。
また、1つのWebページ内で、アプリやコンテンツを構築・更新する、「SPA」の開発に使われることが多いです。要するにSPAは、サーバーとの通信量を最低限に抑えられるので、ブラウザ上で対応できる処理を、JavaScriptでスピーディーに完了させられます。MVVMモデルを採用しているため、ユーザーが変更したデータが迅速に画面上に反映される「双方向データバインディング」という仕組みにより、Webアプリケーションの開発に向いています。
Vue.js案件 フリーランスに将来性はある?市場動向とニーズについて
某メディアによると、2014年にリリースされた新しいフレームワークであるにもかかわらず、2018年の1月〜12月のVue.jsの求人広告は、267.3%という驚きの増加率を出しました。それに併せて、2016年と2017年には「JavaScript ベスト・オブ・ザ・イヤー」に、2年連続で選ばれています。
JavaScriptのフレームワークは他にも存在しますが、どれも機能は素晴らしいものの、やはりVue.jsと比べて 学習コストが高い、というハードルがネックになっている企業も少なくありません。そのため、短期間で習得できる手軽さや、シンプルなコードで開発できる効率の良さなどを理由に、Vue.jsを導入・運用する企業が爆発的に増えているのです。それに比例して、案件数が減ることはないといえるでしょう。
また、開発者の目線で見た場合、構文がシンプルで理解しやすいことや、代表的な「PHP」のフレームワークである「Laravel」を「viewエンジン」として採用していること、CSSやHTMLファイルを使わずとも「.vue拡張子ファイル」でWebアプリケーションを作成できること、そしてライブラリやルーターなどの必要な機能が備わっていることなど、扱いやすさの評価が高く、Webアプリケーションの開発を目的として、積極的に導入されている状況です。
歴史の浅いフレームワークでありながら、多くの注目を浴びているVue.jsは、さらにニーズが高まっていくことが予想されます。需要はあるものの、現在のVue.jsを十分に使いこなせるエンジニアは不足気味です。Vue.jsを扱えるフリーランスエンジニアは大変貴重であり、今後もあらゆる企業に重宝されることでしょう。
フリーランスエンジニア向けVue.js案件の単価相場
エンジニアとして、どれくらい経験が豊富であるかによりますが、単価は月70万円前後が相場です。比較的に、JavaScriptの他のフレームワークの単価とより高めといえます。
もちろん、エンジニアが持つスキルや経験によって単価が左右されるため、エンジニア歴が1年など実務経験が浅い場合は、少し下がって月40万円ほどが妥当でしょう。それでも実務経験をコツコツと積み重ねていけば、単価の上昇が見込めるため、悲観する必要はありません。
逆に、実務経験年数が長いベテランのエンジニアの場合は、月70万円以上の単価が見込めます。プロジェクト管理を任されるほどの上級者なら、月100万円を超える可能性があります。
Vue.js案件を取得するのに必要なスキルは?
Vue.jsを扱えるようになるためには、まずJavaScriptを学ぶことから始める必要があります。既にVue.jsの習得が済んでいる場合は、他のJavaScriptのフレームワークも、積極的に学んだ方が大いに役立つでしょう。案件の募集要項で、Vue.jsだけではなくAngularやReactなど他のフレームワークのスキルも求められる場合があり、その案件の方が単価が高いことが多いからです。フロントエンド開発はVue.jsがメインであることが多いですが、一部に「Ruby」やPHPが採用されるパターンもあるため、そのプログラミング言語やフレームワークも学ぶとなお良いです。
他に、サーバーサイドの開発に必要な「Node.js」や「TypeScript」などのスキル、PHPや「Java」、「Go言語」などの実務経験があれば、より単価が上がったり、案件を取得しやすくなるでしょう。
また、HTMLやCSSなどの基礎的言語のスキルも、習得済みであることは当然です。しかし、時代の流れに伴い、日々Webサービスのレベルは上昇してきています。そのため、スキルだけではなく、さらなる多彩なUX(ユーザーエクスペリエンス)を意識した、UIの設計力が重要です。
そして、JavaScriptはWebアプリケーションの開発プロジェクトに採用されることも多いので、マネジメント経験やコミュニケーション能力が豊富だと、プロジェクト進行の大役を任されるチャンスがあります。
Vue.js案件の勤務条件は?
案件によって勤務条件は異なりますが、ほとんど週5勤務が多く、新型コロナウイルスの影響ということもあり、在宅勤務が可能な案件が増えてきています。出社が必要だとしても、定時の出退社という形ではなく、フレックス制や時差出社など、柔軟な働き方を取り入れている企業は多いです。
自分の理想の勤務条件で働きたいのであれば、エンジニアとして必要とされるスキルをしっかり習得し、好条件の案件を取得できるように準備しておくことが大切です。
Vue.jsの勉強方法 難易度は?
先述した通り、Vue.jsの学習コスト、つまり難易度はReactやAngularなどと比較して、それほど高くありません。Vue.js自体がシンプルに設計されている上、JavaScriptやHTML、CSSの基礎知識があれば、コードを書けるようになるからです。国内での使用例も多く、参考にしやすい日本語の資料も整っているため、学べる環境ができあがっています。
Vue.jsの公式ドキュメントが一般公開されており、それを読むことで、開発された目的や経緯、実装されている機能を把握できます。さらに、ドキュメントには日本語版が用意されているため、英語版を自分で翻訳する必要がありません。また、初心者から上級者まで、それぞれのレベルに適した内容になっているため、一から学ぶという人はまずドキュメントを読むことから始めてみましょう。ドキュメント以外にも、学習書や学習動画を活用することも一つの方法です。
他にも、実際に自らの手でWebアプリケーションを作成する方法もおすすめです。ドキュメントや資料を読んで知識を身につけるだけでは、そう簡単にはアプリケーションを開発できるようになりません。基礎知識をマスターしたら、実際に自分自身で考えて作成してみましょう。実際の現場では、複数人のチームで開発プロジェクトを行っていくので、他人が見ても理解しやすいコードを使っているか、正常に稼働するのか、などを配慮するように心がけることが重要です。
Vue.js案件の獲得に活かせる資格とは?
Vue.jsは、JavaScriptのフレームワークであることを踏まえると、JavaScriptに関係する資格を保持していれば、客観的に自分のスキルを証明しやすいといえるでしょう。採用する側から見れば、応募者にどれくらいのスキルがあるのか判断しにくいため、資格を保持している方が案件取得の際に有利に働きやすいです。また、資格取得の勉強をすることで、業務に必要な知識を体系的に学べます。
JavaScriptの資格の中では、「CIW JavaScriptスペシャリスト」を取得しておくと、大いに役立ちます。国際資格の一種であり、国内外問わず世界的に有名な認定試験です。JavaScriptの基礎知識やスキルを問う内容であるため、取得することでベーススキルが備わっていることの証明になりうるでしょう。国内はもちろん、海外での仕事を視野に入れている人にもぴったりです。しかし、難点として試験はすべて英語で行われるため、それなりの英語の読解力が必要です。
他には、HTMLやCSSに関する「HTML5プロフェッショナル認定試験」も取得した方が安心です。HTML5、CSS3、JavaScriptなど、フロントエンド開発に求められるスキルが範囲として出題されます。認定試験のレベル1はHTMLをメインに、Webコンテンツ制作の基礎能力が問われます。レベル2はWebアプリケーションの最新知識や、動的Webコンテンツの開発と設計能力が問われます。レベル1の認定なしでは、レベル2の認定を取得できないので要注意です。Vue.jsはフロントエンド開発で使われるため、レベル2の認定を目標にしましょう。
Vue.js案件の求人 未経験者でも応募できる?
プログラミングの基礎知識を持たない完全未経験では、案件を取得するのは非常に厳しいです。完全未経験を可とする案件は、ほぼありません。基本的に、HTMLとCSS、JavaScriptは当たり前に習得している人材を求めているため、独学でVue.jsを習得するか、プログラミングスクールに通うなどして、知識とスキルを身につけて、案件取得を目指す方が無難です。
案件によって任される仕事内容はさまざまですが、経験が浅い場合の主な仕事は、コーディングやテストが多いです。開発経験が3年ほどあれば、技術面の問題で案件の取得に困る、という状況はなくなるでしょう。さらに、開発能力を伸ばしたり、扱える言語を増やしたりして実力をつけていくと、それに比例して単価も上がっていきます。経験年数が5年を超えると、要件定義や設計、マネジメントを任されることが多くなります。
Vue.jsは新しいフレームワークである上、導入する企業が増えているため、求人自体は増加傾向にあります。国内でも人気が高いため、現時点で未経験という状態でも、案件の取得を目指して、前向きに学習を進めてみると良いでしょう。