JavaScriptの特徴

「JavaScript」は、Webブラウザ内で実行されるプログラミング言語で、主にwebサイトに視覚的な動的効果を付与する際に用いられます。JavaScriptは、文字の羅列を表示するだけのWebサイトに、動的な機能を持たせる目的で開発されました。HTMLでWebサイトを構造化し、CSSで文字や画像のレイアウトを整え、それらに動きを加えるのが、javaScriptの主な役割です。

一般的なWebサイトは、マークアップ言語のHTMLで構築され、スタイルシート言語のCSSによって装飾されており、基本的に動的な演出は実行できません。そこで、javaScriptを用いることで、Webサイトにアニメーションやスライダーのような、動的効果を付与できます。例えば、Webサイトに付与できる動的効果の一例として、以下のものが挙げられます。

・ポップアップウィンドウ
・スライドショー
・ソートや検索機能
・ハンバーガーメニュー
・Webページ読み込み時の演出
・マウス操作やクリック時の演出
・フォームの送信

JavaScriptの誕生は、インターネット黎明期にまで遡り、1995年に「Netscape Communications社」のブレンダン・アイク氏によって、開発されたプログラミング言語です。当初は「Netscape Navigator」という、ブラウザ専用に開発されたプログラミング言語で、名称も現在とは異なり、「LiveScript」と呼ばれていました。当時、提携関係にあった「Sun Microsystems社（現Oracle社）」が開発した、Javaの人気が非常に高く、それにあやかる形でJavaScriptに改名されたといいます。

インターネット黎明期のWebサイトは、HTMLとCSSだけの静的サイトが主流であり、文字だけで構成されたWebページがあふれていました。しかし、JavaScriptの誕生によって、Webサイトに動的な表現の付与が可能になり、インターネット業界で次第に注目を集め始めます。そして、現在ではWebサイトのフロントエンドの作成やサーバーサイドの処理、アプリケーション開発において、欠かせないプログラミング言語の一つとなっています。

JavaScript案件 フリーランスに将来性はある？市場動向とニーズについて

JavaScriptは、さまざまなWebサイトやWebサービスで利用されており、非常に人気の高いプログラミング言語の一つです。米国の学会誌「IEEE Spectrum」が行った調査によると、2021年のプログラミング言語の人気ランキングベスト5は、上位から順番に「Python」「Java」「C」「C++」が挙げられ、「JavaScript」が5位に位置しています。人気プログラミング言語のランキングを毎月発表している「TIOBE Software」の調査においても、JavaScriptは7位という、比較的高い人気を得ています。

参照元：https://spectrum.ieee.org/top-programming-languages/
参照元：https://www.tiobe.com/tiobe-index/

1991年8月6日に、スイスの「欧州原子核研究機構（CERN）」によって、世界初のWebサイトが発表され、2021年現在ではおよそ18億以上ものWebサイトが公開されています。Webサイトに求められるクオリティも年々向上しており、HTMLとCSSだけでは、要件や要求を満たすことが困難になりつつあります。そのため、昨今のWeb開発において、動的効果を付与するjavaScriptは不可欠な技術であり、今後も高い需要が見込めるプログラミング言語です。

特に、フロントエンド開発におけるJavaScriptの需要は、他の言語をはるかに凌駕します。例えば、サーバーサイド開発では、「Python」「Ruby」「PHP」といった言語が人気を得ているのに対し、フロントエンド開発では学習コストの低さや汎用性の高さから、JavaScriptが圧倒的な需要を誇っています。JavaScriptのニーズがなくなるとすれば、より簡単にWebサイトに動的効果を付与する言語が開発されるか、あるいはWebサイトそのものの需要がなくなるときかもしれません。いずれ、起こり得る可能性はあるものの、現状としては考えにくいでしょう。

フリーランスエンジニア向け JavaScript案件の単価相場

ここからは、フリーランスエンジニア向けのJavaScript案件の単価相場について見ていきましょう。結論を先に述べると、JavaScriptはPythonやRubyなどのプログラミング言語と比較して、単価が高いとはいえません。JavaScriptは、Webサイト制作やアプリケーション開発などで高い需要を誇るものの、扱えるエンジニアが多いこともあって、平均的な単価設定となっています。

例えば、PythonやRubyを用いたシステム開発の案件であれば、実務経験1〜3年で80〜95万円/月が、一般的な単価の相場です。JavaScriptでのフロントエンド開発の場合は、Webアプリケーションの開発経験1〜3年で、65〜75万円／月が相場といえるでしょう。もちろん、案件の単価はシステム開発における、経験年数や実績、自身の人脈や保有資格などによって、大きく変動します。

ただし、JavaScriptの案件は平均的な単価ではあるものの、需要自体は非常に高いプログラミング言語なので案件数が多く、安定的かつ継続的に仕事を獲得できる可能性が高い、という点が大きなメリットです。これは、雇用に安定性のないフリーランスエンジニアにとって、非常に大きなメリットといえるでしょう。HTML・CSSとともにPHPも学び、サーバーサイド開発の経験を積んでいけば、案件の幅が広がり獲得できる単価も向上していく、と予測されます。

JavaScript案件を取得するのに必要なスキルは？

フリーランスエンジニアが、JavaScriptの案件を獲得するためには、Web開発におけるフロントエンドへの深い知見が不可欠です。JavaScriptのプログラミング能力だけを求められる案件はほとんどありません。これからJavaScriptを学び、フリーランスとしての活動を考えている場合は、HTMLとCSSの知見が求められます。JavaScriptは、フロントエンド・サーバーサイドのいずれにも対応が可能で、汎用性に優れるものの、最も需要が高く主戦場となるのは、Web開発のフロントエンドです。そのため、Webサイト制作そのものへの高度な知見や、UIからUXを生み出せるインタラクションデザインへの深い理解が必要です。JavaScriptのみで、フリーランスとして案件を獲得していく場合は、フレームワーク作成のような高度なプログミング能力がなければ、困難といえるでしょう。フリーランスとして案件の獲得を目指すのであれば、最低限でもJavaScriptを用いた、表現力が豊かなWebサイトを構築できるコーディングスキルを身につけましょう。

・フレームワークやライブラリの習得
JavaScriptによるWeb開発を実装する上で、フレームワークとライブラリの習得は、非常に大きな意味を持ちます。フレームワークやライブラリを活用することで、ゼロからコードを書き出すよりも、圧倒的な作業効率化や作業量の軽減ができるためです。特に、JavaScriptのコーディングを容易にするライブラリの「jQuery」、UIの実装に長けたフレームワークの「Vue.js」、UIを構築するライブラリ「React.js」の3つは習得しておきたいスキルです。

・サーバーサイド関連のスキル
その他にも、サーバーサイド関連の知識と技術があれば、案件獲得の幅が大きく広がります。例えば、「Node.js」を用いたサーバーサイド開発、SQLのパフォーマンスチューニングの経験やGoの実務経験などが代表例です。近年では、サーバー側の処理をJavaScriptで実装する開発が注目を集めており、特にNode.jsを利用したサーバーサイド開発が進んでいます。こうしたサーバーサイド関連のスキルを身につけることで、多くの企業において歓迎されるでしょう。

JavaScript案件の勤務条件は？

勤務条件は、雇用主や案件によってさまざまですが、一般的なフリーランスエンジニアの場合、「勤務時間は9:00～18:00」「契約期間は即日～長期」「精算幅は140～180h」といった条件が多い傾向にあります。具体的な業務内容としては、フロントエンドエンジニアとしての設計・開発やコーディング、WebサイトのリプレイスやECサイトのアプリケーション開発などが挙げられます。服装に関しては私服、またはビジネスカジュアルの指定が多く、比較的自由度が高い案件が多いの特徴です。

JavaScriptの勉強方法 難易度は？

JavaScriptは比較的難易度が低く、初心者向け言語の代表格といっても過言ではありません。例えば、C++・C・Javaなどが最も難しい難易度3と仮定するなら、Go・Python・Rubyが難易度2、PHPとJavaScriptが難易度1に該当します。JavaScriptは、プログラム構文がシンプルなため、初心者でも理解しやすいプログラミング言語といえます。

JavaScriptを実装しながら、ゲーム感覚で学べるWebサービスも多数あり、学習サイトや書籍による独学で、十分に習得可能です。そして、ある程度の知識を身につけた段階で、実際にWebサイトを構築すると、より理解が深まります。需要は高く難易度は低めという特徴から、これからプログラミングを学ぶ初心者に、最もおすすめしたい言語です。

JavaScriptは、RubyやPythonのように実行環境を用意する必要がない、という点も難易度が低い理由の一つです。JavaScriptは、ブラウザに実行環境が用意されているため、デバイスとネット環境さえあれば、プログラミングを実行できるでしょう。そのため、動作をイメージしやすく、実際にWebサイトを構築しながら、HTMLやCSSと並行して学べます。

JavaScript案件の獲得に活かせる資格とは？

フリーランスエンジニアが案件を獲得するために、最も重要なのはシステム開発の実装経験と実績です。提示できる経験や実績がない場合は、JavaScriptのスキルを証明する資格を保有することで、ある程度有利に交渉を進められます。

・CIW JavaScript スペシャリスト
JavaScriptに関する代表的な資格といえば「CIW JavaScript スペシャリスト」です。CIW JavaScript スペシャリストは、JavaScriptの習熟度を測る世界的な資格の一つで、特別な受験資格はありませんが、試験言語は英語のみのため注意が必要です。

・HTML5プロフェッショナル認定試験
JavaScriptの案件獲得を目指す上で、有利に働く資格の一つです。HTMLやCSSはもちろん、JavaScriptに関する知識や技術が求められる認定試験です。レベル1ではWebコンテンツ制作の基礎力を、レベル2ではWebアプリケーションや動的Webコンテンツの開発能力を測ります。サーバーエンジニアやプログラマー、Webデザイナーやアプリケーション開発者などを対象としており、フロントエンド開発のスキルに長けていることを証明できる資格といえるでしょう。

JavaScript案件の求人 未経験者でも応募できる？

JavaScriptはWeb開発において、フロントエンドだけでなくサーバーサイドにも対応できる、汎用性の高い言語です。需要の高さも相まって、多種多様な案件が存在します。そのため、未経験者でも応募できるケースはゼロではありません。しかし、多くの場合は、最低でも1年以上の開発経験を必須とする案件が多い傾向にあります。未経験者がフリーランスエンジニアとして、案件を獲得するのは非常に困難といえます。

未経験者が、JavaScriptの案件を獲得することはそう簡単ではないため、HTMLやCSSを並行して学び、最低でもWebサイトを構築できるスキルを身につけなくてはなりません。そして、クラウドソーシングを利用し、簡単な案件をこなして経験を積んだり、実際にWebサイトをインターネット上に公開し実績として提示したり、などといった取り組みが必要です。JavaScriptは、Web開発において非常に高い需要があるため、学習サイトやクラウドソーシングなどを活用して経験を積むことで、案件獲得につながるでしょう。