Pythonの案件について
最近Pythonの注目度が高まっているのは、大きな理由の1つに、ビッグデータ解析や機械学習などの技術を用いる際、scikit-learnなどのライブラリ群が充実しているため、その文脈でニーズのある企業を中心に導入が進んでいることがあります。
Pythonは、機械学習用の定番ライブラリが豊富にあり、機械学習エンジニアやロボット向けアプリケーション開発などの求人が多くあります。海外と比べ、日本ではあまり人気がなかったPythonですが、第3次AI(人工知能)ブームから、需要が高まっています。大手企業やベンチャー企業でも、大型の資金調達を行ったスタートアップ企業で、早期にプロダクトをリリースするために、Pythonを選択する企業が増えています。これに伴い、Python経験が豊富なエンジニアは、案件に困ることはないようです。
Pythonの給与・報酬単価の相場としては、1人で月に140時間~180時間の工数で、50万~120万円と、かなり幅があります。経験豊富なPythonエンジニアの場合、1人で月80万円~100万円くらいが相場のようです。ただ、Webアプリケーションの開発や、機械学習・自然言語処理関連の開発など、携わる業務により相場も変わってきます。どちらかといえば機械学習・自然言語処理関連の開発の方が希少価値が高いことから、相場も高めの傾向になります。これ以外、契約期間でも金額が増減することになります。
Pythonの特徴
「Python(パイソン)」は、比較的学びやすい言語として、現在注目を集めています。ここでは、学びやすい理由として3つの特徴を説明します。
1. ライブラリが豊富
Pythonは標準ライブラリ、外部ライブラリともに種類が豊富です。ライブラリとは、アプリケーションを開発するために必要なプログラムをまとめたもののことで、Pythonでは、10万点を超えるライブラリが公開されています。その種類も計算統計処理だけではなく、画像処理、音声処理、自然言語処理など多岐に渡っており、中には今話題になっている、データ解析や人工知能や機械学習に特化したものも多くあります。
2. コードがシンプル
Pythonは、コードがシンプルです。シンプルなコードは読み書きがしやすいため、プログラミングに要するスピードが早くなります。言語の習得はもちろん、仕事の効率も上がります。
3. エラーをすぐに修正できる
Pythonの特徴のひとつとして、インタプリタ型であるということも挙げられます。インタプリタ型とは、解釈実行型とも呼ばれ、プログラム実行とともに同時にコードを読み込むものです。
プログラムの変換方式にはコンパイラ型もあります。コンパイラ型は、全てのプログラムをコーディングしてから実行する方法です。
インタプリタ型は、読み込みながら動くためコンパイラ型に比べ実行速度は遅いですが、即時性が高いのが特徴です。そのため、エラーが出てもすぐ確認ができます。そもそもPythonのコードは短いので、修正しやすいのです。
このようにPythonは学びやすいという点から初心者向きだと言われます。しかし、機械学習人工知能分野や、Web/モバイルアプリケーション開発、データ解析/分析、ブロックチェーン開発といった専門分野に多く使われているため、とても注目されているプログラミング言語です。
Python案件 フリーランスに将来性はある?市場動向とニーズについて
Pythonは、幅広く使われているだけでなく、世界中の大企業も使っているという点から将来性が高いと目されています。また、現在推進されているAI・機械学習・ディープラーニングやデータサイエンスに優れている言語であるため、ニーズも高まりつつあります。さらに令和2年には「基本情報技術者試験」にもPythonの出題が追加されるなど、需要が伸びているのがわかります。
フリーランスエンジニア向けPython案件の単価相場
フリーランスエンジニア向けのPython案件の単価相場は、ひと月(1日7〜8時間稼働、週5日換算)あたり平均60〜80万円前後で、ある調査によると最高単価は160万円程度ととても幅広いです。相場単価は、経験年数によっても変動します。特に経験年数2年超えがターニングポイントとされ、1年未満では月25万〜30万円程度、1年目では30〜40万円程度ですが、2年目は50万円以上と、月単価が50万円を超えてくることもあります。また、設計のみの担当か、データ分析や設計から運用まで担当するかという職務の違いによっても金額は変動します。
このように、Pythonの案件は金額が幅広く、経験年数も金額に関わってきます。ただし、AIやデータ分析の部門など高額傾向の案件もあります。
Python案件を取得するのに必要なスキルは?
次に、Python案件を取得するために必要なスキルを、未経験可能案件の場合と、高額案件の場合とに分けて説明していきます。
未経験でPython案件を取得するために必要なスキル
未経験で案件を取得するために必要なスキルは、まず「Pythonによるプログラミング技術」、「案件に関連する知識やスキル」です。「Pythonによるプログラミング技術」には、Pythonでの開発で使われる知名度の高いDjangoといったフレームワークを覚えるということも役に立つでしょう。
しかし取りたい案件によっては身につけるスキルや知識を変える必要があります。例えば、人工知能のための機械学習や深層学習の案件を取りたい場合であれば、Pythonだけでなくデータベース言語SQLの理解や機械学習・統計学など他の知識も必要です。データ分析の場合は、マーケティングの知識や考え方、R言語など他の言語を扱う必要も出てくるでしょう。
全てに共通して言えることは、Python案件を取得するためにはPythonだけではなく、他の知識も必要であるということです。未経験から参入する場合は、すぐにPython案件を取ろうとするのではなく、サーバ側で動作を開発しWebサイトとアプリの連携や設定などを行うサーバサイドエンジニアとして経験を積みながら知識を得るという方法も良いでしょう。
高額案件を取得するために必要なスキル
Python案件の経験があり、さらに高額案件を取得したい方に必要なスキルについて説明します。
高額になりやすい案件は、AIやデータ分析、上流工程での作業などがあります。そのため、より高度なプログラミング技術はもちろん、下流工程のプログラマーやプロジェクト全体を見ることができるマネジメントスキルが必要になってくるでしょう。
AIやデータ分析案件のために必要である高度な技術は、Pythonのスキルだけでは成り立たないため、より高速に動くコンパイラ型の言語であるC言語やJavaを学ぶ必要があります。ビッグデータ解析には分散処理型ライブラリのHadoopが活用される場合もあるため、このようなライブラリも学んでおくといいかもしれません。そして、このようなライブラリやフレームワークを用途ごとに整理して使えるようにしておくと、より案件を取りやすくなります。
Python案件の勤務条件は?
Pythonはチームで行うプロジェクトが多いことや、セキュリティ強化・情報漏洩防止の観点などから、客先常駐が勤務条件となり、在宅勤務は少ないです。ただし、交渉によっては途中から在宅勤務に移行してもらうことも可能でしょう。また、稼働時間は1人あたり、月に140時間〜180時間という案件が多いようです。
Pythonの勉強方法 難易度は?
前述したとおりPythonは他の言語に比べ初心者でも学びやすく、難易度は低めです。勉強方法としては主に、「集合研修で学ぶ」、「プログラミング教室で2〜3ヶ月程度勉強する」、「独学で勉強する」という方法があります。独学は低コストではありますが、質問できる相手がいないという点がデメリットです。わからないところがあっても、自分ひとりで解決しなければなりません。
他の言語の経験者であれば集団研修を受けたり、初心者であれば教室に通ったりするなど、自身の経験や性格にあわせて勉強方法を変えると良いでしょう。
ただし、Pythonはポピュラーな言語になりつつあるため、書籍も多く出ています。そのため、独学の場合でも学びやすい環境になっているといえます。
Python案件の獲得に活かせる資格とは?
Python案件の獲得に活かせる資格には、「Python試験」と前述の「基本情報技術者試験」があります。「Python試験」とは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催している、Pythonの専門知識を評価するものです。「エンジニア認定基礎試験」と「エンジニア認定データ分析試験」の2種類があります。
また、「基本情報技術者試験」は独立行政法人情報処理推進機構が運営する国家資格です。これは、プログラムに関する基礎知識や設計書の作成ができるかの試験です。広範のプログラミング知識を問うものですが、令和2年よりPythonも出題範囲に加わっているため、Pythonの案件獲得にも活かせるでしょう。
Python案件の求人 未経験者でも応募できる?
数は少ないですが、未経験者でも応募可能な案件はあります。ただし、未経験といっても「実務未経験可」の案件が多いので、Python自体はきちんと習得しておく必要があります。仕事としてではなくても、Pythonを使ったプログラムを作っておくと案件獲得の可能性が高まるでしょう。