フリーエンジニアが法人成りするメリット・デメリットを教えてください
829ページビュー2コメントフリーランスのフロントエンドエンジニアです。Webもアプリも引き受けますが、いまのメインはAndroidアプリ向けの開発です。フリーランスになって今年で3年、おかげさまでお客さまの数も増え、順調に売上を伸ばしてきています。
そこで悩んでいるのが、「法人成り」をするべきかどうかです。年商で2000万ほどで、個人事業主として続けるよりも、法人にしたほうが節税になるのではと思っています。
また、信用も個人事業主よりも法人の方が得やすそうだと思っています。営業上も有利に働きそうですし、クレジットカードや銀行ローンの申し込みの際にも有利なのではと思っています。
そこで法人成りした先輩フリーエンジニアのみなさんに質問です。
実際のところ、法人成りしてよかったこと・悪かったことはどんなことでしょうか?
どんなことでもかまいませんので、実際に感じたところを教えていただけると幸いです。
- 本郷洋ITコンサルタント
法人成りのメリットとしては、まず、大きな規模の会社からも仕事を受注できる確率が高まる点を挙げられます。信用が向上するのです。
企業規模が大きくなればなるほど、フリーランスのエンジニアには業務を発注しない傾向にあります。理由としては、フリーランスのエンジニアに仕事を発注する場合、発注契約書について社内で稟議書を回して承認を求めるわけですが、部長クラスや担当取締役の決裁段階で「なぜ、わざわざフリーランスのエンジニアに発注するのか」という疑問が示されて、否決される傾向があります。そのため、ほとんどの大手企業では最初から業務の発注先の選択肢のなかに、フリーランスのエンジニアを含めていません。ですから、法人成りすれば、この問題をクリアできます。
他には、税制面でのメリットも享受できます。単純な計算はできませんが、売上高が1000万円を超えるようなら法人成りの方が有利と思われます。また、法人成りしてから2年間は消費税の納税を免除されるメリットもあります。
デメリットとしては、形式的にでも株主総会議事録や取締役会議事録を作成する必要があることや、法人設立のときに登記費用が発生することなどが挙げられます。
社会保険については、法人成りすると厚生年金保険への加入が義務付けられますが、納付と給付の関係で考えればメリットともデメリットとも言えないと思います。
法人成りをするか否かは、仕事の受注面でメリットなのか否かを基準にして判断すべきと考えます。ビジネスが成立する前提は、信用第一だからです。 - 13日金曜日のJSONフロントエンドエンジニア
フリーランスを経て、元同僚と起業したものです。私は役員の1人です。株式会社で登記しました。
私の場合は1人での現場常駐から、3人で行う事業へと変化したので、状況や環境がヨッシーさんに当てはまらないかもしれませんがご承知ください。ちなみに、良いコンセプトのサービスだなと思ったので…最近盛り上がってた某キュレーションメディアの件もあるのでことわっておきます。
私は専門家ではありません…(^_^;)。伝える内容は実体験と感想です。ちょっとした参考になればと思います。
具体的に考える場合は税理士の方に再度ご相談を。【メリット】
①節税(できた?らしい)
②関東IT健康保険(国保は高かった)
③わかりやすい肩書を持つことで相手から寄ってくるケースがある。【デメリット】
④社会保険への加入
⑤役所周りイベントが定期的に発生
⑥何かしらの勧誘電話/DMが激しい~~~~~~
①節税
税理士先生がいうには、1000万を越えた辺りで法人化したほうがいいとのことでした。
別の起業した知人がいうには、もうちょっと個人で踏ん張ったほうがいいという意見もありました。ちなみに我々のように発注元ありきの商売は、技術力は当然としてクライアントの事業の状態にも依存します。今年1000万「いきそう」だからといって、いきなり法人化しないほうが良い可能性は高いです。翌年、頼りにしていたクライアントの発注が途絶えることは当然あります。実際に1000万を下回ってしまうと、数十万をかけ役所をあちこち回ったのに、節税効果は個人事業主時代のほうがよかったという、本末転倒な結果になります。
知っている範囲では1300万~あたりの方が法人化しているケースが多いように思えます。ちなみに最初の2年は法人税免税?減税?の優しい制度があったような。
②関東ITの健康保険
これは個人的なケースだと思います。元いた会社の保険の任意継続が切れたタイミングで国保に加入しました。任意継続は払い忘れで失効しました(汗)
国民健康保険って高いんだなー。会社ってすごかったんだなー。ありがたいなー。しかし個人事業主って大変だな…こんなもんかー。と思っていましたが、振り返ってみれば痛かったです。結果ノットオーライでした。どっちが高いかは収入によるみたいですが、年商2000万のビジョンが見えているフリーエンジニアであれば「国保たかっ!」と思った私と同じ感じになるんではないでしょうか。(妻と子供が1人いるので、金額差がより大きくなったのかもしれません)
③わかりやすい肩書を持つことで相手から寄ってくるケースがある。
これは想像しやすいかと思います。
代表取締役社長はもちろんですが、取締役の肩書が付いているだけで、この人は経営陣=決済権をもつ=取締役会での発言力が高い=稟議すら直通。みたいな状態であることが伝わります。個人のときは「ふーん、フリーか。ま、何か案件があれば流してあげるよ」くらいのあしらい方をされていました(妄想かもしれませんが(汗))ですが、取締役であることで、現実に事業運営できている会社の経営陣ということを簡単にPRすることができます。しかも(ゴマンとありそうな)技術系の請負会社のなかでしっかり運営できているということは、技術力が低いというわけではなさそうという連想も与えやすいです。
長々と書きましたが、営業効果は「抜群に高まったなぁ」と感じています。④社会保険への加入
税理士経由?で社労士?の方に依頼しています。実際に何がどうなるのかよくわかりませんが、ややっこしそうです。私はそういうのが苦手なので、生業としている先生をいかに見つけるかが大事になりそうです。ちなみに密に会話していた代表は「金かかるなぁ」みたいなことをつぶやいていました。何やら個人時代にはない費用が発生するようです。
個人的には書類対応などに忙殺される時間の発生がデメリットです。どうせ同じ時間をかけるなら、案件をこなして収益を稼ぎ、その収益を使って出来るだけアウトソーシングしてしまうのが良いと思います。(お釣りがくるまではいきませんが…クライアントの評価が高まることはプライスレスです。)
⑤役所周りイベントが定期的に発生
社会保険も含まれますが、銀行・年金事務所・税理士事務所など色々なところに出向いていく必要があります。出来るだけ多くの時間を開発時間に充てたいのに、そうではない業務が発生します。ここらへんは法人化した技術畑の方の多くがデメリットと感じる部分だと思います。
法人化し、スタッフを入れ始め、事業拡大に成功してきたら士業の方を採用したいところですね…。独自サービスで銀行やファンドから出資金を得たり、すごいコネクションで優良案件を引っ張ってくるなどの「財源の源泉」が無い限り、長い道のりです。これらはずっと付きまとってくる業務です。
⑥何かしらの勧誘電話/DMが激しい
やたらと税理士事務所からDMが届きます。様々なところから電話がやたら掛かってきます。なにやら主に士業の方々がチェックしている、新しい法人リスト?サイト?があるらしいです。2日に1回、まとめてポストを掃除しています。
顧問契約した税理士の方(DMや電話ではなく、調べて見つけたところ)がいうには、登記住所は番地までにしといたほうがよい(建物名まで入れなくてOK)、とのことでした。最後まで入れて登記すると不要なDMとか届いてしまうため。~~~
以上、長くなりましたが実体験を思い出しながら書いてみました。
何かしらの参考になれば幸いです。(法人化に踏み切る際は、登記前にぜひ税理士に相談を!!)- ヨッシーフロントエンドエンジニア
ご回答ありがとうございます!
とても具体的で参考になりました。
役所まわりはちょっとしんどいなと思いますが、全体的にメリットのほうが勝るのかな?と感じます。
ともあれ、一度税理士に相談してみます!
- ヨッシーフロントエンドエンジニア