第一線でバリバリ活躍し高額の報酬を手にしているフリーランスエンジニアと、仕事が無くサラリーマンに戻らなければ生活できないかもしれないという不安を抱えているフリーランスエンジニアがいるとします。この両者の違いはどこにあると思いますか?
フリーランスとして独立する時は事業を成功させる見込みがあったにもかかわらず、年月が過ぎる中で徐々に仕事を失い結局独立失敗に終わってしまうフリーランスは意外と多いものです。
そこで今回は成功しているフリーランスエンジニアと失敗したフリーランスエンジニアの違いを基に、失敗しやすいフリーランスエンジニアの特徴をピックアップし、皆さんの反面教師となるようにご説明します。
フリーランスの仕事を続けるには自己管理が必要
どれだけ実績がありスキルの高いエンジニアであっても、フリーランスとして成功するとは限りません。逆をいえばフリーランスとして成功するには知識やスキル以外の要素が必要ということです。
フリーランスは事業に関わるすべてのことを自分で処理しなければなりません。営業、会計、事務作業など、エンジニアとして経験していない業務も自分で行う必要があるのです。
これら煩雑な業務を事業と並行しながら処理していくためには、適切な自己管理能力が必要なのはいうまでもないでしょう。つまり、専門的な知識やスキルがいかに秀でていようとも、自己管理能力が無いとフリーランスとして成功しないのです。
失敗するフリーランスエンジニアの特徴7個
では、自己管理能力が不足しているとどういう事態に陥るでしょうか?
実はここにフリーランスエンジニアとしての成功・失敗の分岐点が存在しています。失敗するフリーランスエンジニアの典型的な自己管理失敗例を以下に記しましょう。
1. 納期を守らない
納期=クライアントとの約束です。
会社員としてエンジニア業務を行っていた経験のある方は、携わっていた業務が納期を守れず遅れてしまった経験をお持ちの方もいるでしょう。ある意味、納期遅れに悪い意味で慣れてしまっている方もいるかもしれません。
企業対企業の契約では、納期遅れなどのトラブルは営業や会社の幹部が前面に立って謝罪・調整してくれます。その上でリスケジューリングして再度業務を続行することでしょう。
しかし、フリーランスエンジニアはそれらの謝罪・調整を自分自身で行わなければなりません。そのためには時間も労力も消費します。
そればかりか、企業と違い信用が低いためクライアントから次の仕事の依頼が無くなってしまうこともあると思ってください。フリーランスエンジニアにとって、納期を守らないことは信用低下を招き次の仕事が無くなることを意味するのです。
2. スケジュール管理を怠る
マルチタスクで進行している案件などは、業務に必要な時間をスケジュールしタスクごとに時間管理しておかないと、ついうっかりタスク漏れしてしまいます。
業務を受託した段階で納期までの作業内容をスケジューリングし、「いつ何をどこまでやるか」を計画しておくことが必要です。この手順をめんどくさがって省略する人は、フリーランスとして失敗する可能性が高いといえるでしょう。
また、就業規則が無いためついダラダラと仕事をしてしまうのも失敗するフリーランスの特徴。生産性を考え、メリハリのあるスケジュール管理を心がけることが大切です。
3. 体調管理を怠る
フリーランスの仕事は代わりがいません。企業とは異なり、体調不良で業務が滞ったら誰かが代わりにその分を処理しておいてくれるなんてことはないのです。
インフルエンザに感染してしまったり、過労で倒れてしまったりすると、その分業務に遅れが生じクライアントに迷惑をかけてしまいます。
1~2日で完治する風邪程度であればまだ取り返しがつきますが、それでも自分自身で自分の首を絞めていることに変わりはありません。不規則な生活や偏った食生活、運動不足、過度の喫煙や飲酒などを繰り返すフリーランスに成功者はいないのです。
フリーランスになって体調を崩す人が多いです。会社員の頃は会社のためという帰属意識により心の支えがありますが、フリーランスになると自分のためという気持ちになるため心の支えがなく体調を崩す人が多い傾向があります。
4. その日の気分で仕事をするかを決める
朝起きて気分が乗らなかったら「今日は休み!」と自分で決めてしまう。会社員であれば仮病+有給申請を使いほぼ無傷で終わるでしょうが、フリーランスの場合はその行為が直接自分に跳ね返ってきます。
仕事をするもしないも自分次第がフリーランスのいいところでもありますが、こういった気の緩みが業務に対する集中力欠如につながり、クライアントの信頼を損ねるという悪循環に陥るのです。仕事をする日としない日は前もって決めて、計画的に仕事を行うようにしましょう。
5. スキルアップを怠る
フリーランスエンジニアにとって、知識やスキルは「武器」となります。クライアントに自分を売り込む際、あるいは新しい仕事にチャレンジする際に使える「武器」は、常に磨いて鋭い切れ味のまま保持しておかなければなりません。
「武器」を磨くのを怠ると、切れ味が鈍ります。そして、使い物にならないものにクライアントは仕事をくれることはありません。つまり、時代の流れに合わせて「武器」を新たに仕入れることも必要です。
フリーランスエンジニアにとってのスキルアップは、この「武器」をメンテナンスすることといえるでしょう。勉強会やセミナーなどに参加せずスキルアップとは無縁の生活を送っていると、いつの間にか使えない武器ばかり大事に持っている時代遅れのフリーランスになってしまいます。
6. お金の管理を怠る
フリーランスは事業用の財布をプライベートの財布をしっかり分けて管理しなければなりません。また、クライアントへの請求から入金まではある程度の期間を必要とするため、その間のキャッシュフローを考える必要もあります。
お金があるだけプライベートで使ってしまい、資金がショートして業務ができないなどという事態に陥ってしまうと目も当てられません。
また、万が一のためにある程度の貯えを持っておかなければ心の余裕もなくなります。計画的に積み立てるなどして万が一の事態に備えることが必要です。
7. なんでもかんでも引き受ける
独立したてのフリーランスエンジニアにありがちなのが、クライアントの要求を断ることができずキャパオーバーになってしまうことでしょう。自分の業務処理能力を超えて仕事を受けてしまい、納期遅れが生じ、結果的にクライアントに迷惑をかけてしまうのです。
キャパオーバー状態になると、休みも無くなり睡眠も不足になります。体調不良の引き金にもなるため、できないと思ったら仕事を断ることも必要です。
声をかけていただくクライアントに感謝しつつ、できない場合はクライアントにNoといえる関係を築きましょう。
自分を知ることが成功への近道
フリーランスエンジニアになったばかりの時は、まだフリーランスとして自分の目指す方向性や仕事の進め方が確立しておらず、試行錯誤の時期があることでしょう。その時期はいろいろブレが生じ失敗してしまうこともあるかもしれません。
しかし、事業が軌道に乗ってくると客観的に自分を見る余裕が生まれてきます。その時に、自分がどのようなフリーランスを目指しているのか、どのような生活パターンが向いているのか、どれだけのお金で毎月生活していけるかなど、自分の状況や方向性を再認識する機会を作りましょう。
その上で、自分に合った考え方やスキルアップ方法等を取り入れ、成功するフリーランスへと舵を切ることが必要です。
おわりに
フリーランスエンジニアとして事業を行う上で、うっかり何度か失敗してしまうことはあるでしょう。しかし、失敗を繰り返すのではなく、失敗を糧にして二度と同じ失敗を犯さないように自分を律することができれば大丈夫です。
成功するフリーランスエンジニアを目指し、自分を客観的に見つめなおして上で無理のないライフスタイルを実現してください。
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フリーランスは会社員と比較すると自由度が高い傾向があります。そのため、自己管理能力が無いと仕事が前に進められず契約を続けることができません。