システム開発をおこなう際、どのOSを使用するかで開発環境は大きく異なります。現在、開発環境におけるOSは、Windows、Mac、そしてLinuxの3種類があります。
ここで注目したいのがLinuxです。では、普段使い慣れているWindowsやMacではなく、Linuxを利用するのはどのようなメリットがあるのでしょうか？
どうして開発にLinuxが使われているのか疑問に感じている方は多いはず
システム開発者はさておき、一般ユーザーや企業が普段利用しているパソコンのOSはWindowsもしくはMacでしょう。中でもOSシェアの9割近くを占めているといわれるWindowsはユーザー数も多く、最も馴染み深いOSだと思います。
にもかかわらず、システム開発場面ではLinuxを利用することが非常に多くあります。なぜ開発環境ではLinuxを利用することが多いのか、Linuxのメリットデメリットを挙げながら理由を探りましょう。
Linuxを使うメリット
LinuxOSを利用するメリットはいくつかあります。そこで、特に普段使いではなく開発環境で使うという用途に限定して考えた場合のメリットをいくつかピックアップしてみました。
1. 無償で使える
何といっても利用が無料であるというのが最も大きなメリットです。Linuxは基本的に無償で使えるため、複数のPCにインストールしても、さらにコピーしても罪に問われることはありません。
また、開発環境を整えるのが便利な点も特徴です。例えばさまざまなオープンソースアプリを使える点やWindowsより使いやすいCUIなどがそれに該当します。
2. Linuxを狙うウィルスが少ない
Windowsを狙ったウィルスやスパイウェアなどはその種類が非常に多く、セキュリティ面ではイタチごっこが続いています。しかし、Linuxはウィルスソフトが必要ないといわれているほど安全性が高いOSです。
これは、もし何かしらの悪意を含んだ問題が発生しても、オープンソースであるため世界中のユーザーが即座に対応し、問題解決がスムーズかつ透明性があるためだといわれています。
3. 古いコンピューターでも使える
Windowsはマシンに対する要求スペックが高く、旧式のパソコンでは動作が安定しないことがあります。一方Linuxの場合は余計な機能を落としてシンプルな構成にすることが可能なため、マシンへの負荷も小さく、古いパソコンでも十分に利用することが可能となるのです。
Linuxを使うデメリット
無料で使え安全性も高いLinuxですが、もちろんデメリットも存在します。多くのユーザーが感じるデメリットをいくつかピックアップしてみましょう。
1. サポートがない
WindowsやMacと異なり、Linuxにはオフィシャルなサポート窓口がありません。不明点や疑問点などは有志が運営するコミュニティや有償サポートをおこなっている企業などへ依頼することとなります。OS利用が無償である分、利用に関しては自己責任というスタンスです。
2. Windowsと操作が異なる
使い慣れたWindowsとは操作が異なるため、Windowsに慣れた人ほど戸惑うことになります。また、日本語変換に弱点があるため、通常の文章入力などで苦労することもあります。あわせて、WindowsやMacで利用できるMicrosoftOfficeなどのアプリケーションもLinuxでは利用できないため、普段使いとしては不便です。
3. デバイスが非対応の可能性がある
プリンタやスキャナ、外付けストレージといったパソコンにつなげる周辺機器のデバイスがLinuxに対応していないケースが多くあります。あわせて、周辺機器に付属しているユーティリティソフトなども使えないことがあります。
4. 種類が多いのでどれを選べばいいかわからない
Linuxの場合、いざ利用しようと思ってもさまざまなディストリビューション（種類）があるため、どれを選択すればいいかわかりません。インストールの容易さや使用感など千差万別であり、初心者が見極めるのはハードルが高いといえるでしょう。
おわりに
Linuxは慣れるまで若干の勉強時間や慣れが必要です。特にWindowsユーザーが苦労する場面が多いと思います。しかし、一度使い始めてしまえばシンプルでわかりやすく、特に開発環境ではサクサク動作するため、手放せなくなること間違いなしです。
古いPCでも利用可能なOSであるため、倉庫に眠っているパソコンなどがあれば一度インストールして遊んでみるのもいいかもしれませんね。
