シリコンバレーのスタートアップで人気のあるScalaは、日本のベンチャー企業を中心に普及してきています。Javaとの親和性がありJVM上で動作するScalaは、実際のところ需要はあるのか、またどんな分野での開発案件があるのか。
ScalaエンジニアもJavaエンジニアも必見のScala市場についてご紹介します。
Scala案件の単価相場
Scala案件の単価相場はどのくらいなのでしょうか。単価相場は実際の案件により様々ですが、比較の一例としてFuturizmに掲載している求人情報を活用してみました。
相場は70万~90万円
一部のサンプリングデータではありますが、Scalaは単価が割と高く、さらにscala技術者の年収は世界的にみても高い傾向にあります。
また、国内の求人においてもscala案件は技術者がまだ少ないこともあり、高額に設定されているようです。
・【Scalaエンジニア募集】広告配信および配信結果の分析システムの開発:月額~800,000円
・【Scala(Java)エンジニア募集】クラウド型税務・会計・給与システムの開発:月額~720,000円
・【Scalaエンジニア募集】Scalaでの広告配信ツールの開発:月額~750,000円
※Futurizm:Scala案件ページより紹介(募集終了の案件は削除されている場合があります)
実務経験年数別の単価相場目安
同じscalaエンジニアでも、実務経験によって単価相場は大きく変わってきます。以下でScala市場の単価相場をみていきましょう。
Scala求人の実務経験年数別単価相場
- 1~2年:43万から48万
- 2~3年:53万から58万
- 3~5年:58万から63万
- 5年以上:63万から68万
JavaとScalaは同じJVM上で動作する言語であり類似性もあることから、経験年数による単価相場はJavaと似るところがあります。
また、プログラミングスキルに加え上流工程の設計スキルがあればさらに単価も上がっていくでしょう。
Scalaの特徴
案件の単価相場は比較的高いようですが、市場での普及はまだJavaなどに比べると低いです。
そんなScalaは、関数型言語とオブジェクト指向型言語を融合したJVM上で動作する静的型プログラミング言語で、Javaとの親和性があることが特徴です。世界的にも人気の高い言語で、有名な企業やWebサービスでも活用されています。
【Scalaを使用しているサービス/企業の一例】
Twitter
Foursquare
LinkedIn
SAP
Innovation Games
Seesmic
Javaをシームレスに利用できる
ScalaはJVM上で動作するため、Javaとの連携が可能です。JavaからScalaを呼び出したり、ScalaからJavaを呼び出したりすることもできます。
また、Webサービスの開発にはPlayFrameworkというフレームワークが有名です。Scalaのフレームワークの中では一番人気のあるフレームワークですので、身につけておくと案件獲得の幅が広がると思います。
オブジェクト指向と関数型の統合
Scalaはオブジェクト指向プログラミングと関数型プログラミングで記述することができます。関数型プログラミングはJavaやJavascriptでも記述が可能です。オブジェクト指向と関数型プログラミングはどちらがよいという考え方ではなく、用途に応じて使い分ける必要があります。
【最新】Scalaの今後の動向
Javaと似た性質を持つScalaですが、需要は伸びていくのでしょうか。それとも現状維持が続いてしまうのでしょうか?今後の動向を探っていきます。
Scala案件は増加している
ベンチャー企業を中心に広まっているScalaは、Javaで造られたレガシーシステムのアーキテクチャ刷新案件や、Webサービス構築ではPlayFrameworkやAkkaを中心とした開発案件が多いです。これらのフレームワークを活用したScalaによるサーバサイド開発案件は増加傾向にあります。
Scalaの経験はなくてもJava経験があればOK
Scalaの案件は高単価のものが多いため是非獲得したいところですが、JavaのスキルはあってもScalaの経験はあまりないエンジニアも多いと思います。
しかし、例えばPlayFrameworkなどはJavaでのプログラミングにも対応している(JVM上での動作が前提のため)ため、Scala案件だがJavaでも対応可能という案件も今後少なから増えてくるでしょう。
Scalaエンジニアが高単価の案件を獲得するためのポイント3つ
Scalaの市場動向や案件の特徴を踏まえて、高単価案件の獲得ポイントをご紹介します。
まずは3年程度の実務経験を積んで市場ニーズを把握する
Scalaは、Javaやその他の言語に比べるとまだまだ案件数は少ないです。そのため、経験年数を積んでいるエンジニアの需要は必然と高くなるでしょう。小規模安価な案件でも受注して実務経験を積むことで、どんな分野に需要があるのかのニーズも把握できてくると思います。
特にPlayFrameworkやAkkaを使用したWebサービスのサーバサイド開発でJavascriptなどとの組み合わせがあるもの、またAWS上でのクラウド環境での開発などのニーズの特性を押さえて、自分の実務経験とマッチするかの判断を行いましょう。
大規模案件を経験する
Scalaを活用した案件はベンチャー企業を中心に広まってきており、技術としても新しい言語です。Webサービスの刷新に、例えばPHPからScalaを活用するようなアーキテクチャの刷新案件は多々あると思いますが、Scalaに限らず新しいアーキテクチャ、特にまだ若い技術への移行プロジェクトはプロジェクトマネージメントをしっかりとやらないと新しいものに手を出して頓挫するようなケースに見舞われます。
規模が大きくなればなるほどマネジメントが重要となるのは言うまでもありません。
フレームワークを熟知する
フレームワークの人気調査サイト「Hotframeworks」の、Scala言語フレームワークのGitHub登録数で調査したランキングを参考にしてみてください。
2015年からどのフレームワークも急速にスコア数を伸ばしています。ここ3年程度でフレームワークの需要が高まっているので、フレームワークの人気動向を押さえておくことも重要です。
Scalaエンジニアの単価相場は高くJavaエンジニアにもチャンスがある
ScalaはJVM上で動作する言語で、Javaとのシームレスな連携ができる言語です。言語の特性としてはオブジェクト指向と関数型プログラミングを統合した言語です。ベンチャー企業を中心に広まってきており、Twitterなどの開発言語としても活用されています。
また、案件の特徴としてはWebサービスのサーバサイド開発などがあり、フレームワークとしてはPlayFrameworkが人気でそれを活用した案件も多いので、フレームワーク活用スキルは習得しておきましょう。そして、新しい言語のためアーキテクチャ刷新に関わる案件ではリスクマネジメントなど、プロジェクト管理技術も身に着けておくことで高単価案件獲得に繋がるでしょう。
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