フリーランスの始め方の理解は、独立してからの生活や仕事を支えることにつながります。もしフリーになる可能性がある場合は、こちらで基本的な始め方をチェックしておきましょう。
ひとりで様々なことをこなす必要のあるフリーランスにとって、事前準備は重要なものになります。以下で必要な手続きや経理に関する雑務、その他仕事の環境や受注方法をご紹介していきますので、この機にまとめて把握しておきましょう。
会社員を辞めただけではフリーランスにはなれない!
フリーランスは、今働いている会社を辞めただけでなれるほど簡単なものではありません。いくつもの手続きや準備を終えて、初めてフリーランスとして働いていけるのです。会社を辞めてから慌てないように、あらかじめ環境を整えておくことをおすすめします。
始め方には複数のポイントがあり、簡単に済むものもあれば、面倒な手続きを要するものもあるでしょう。余裕を持って対応できるように、早めに取り組むようにしてください。
フリーランスの始め方①:必要な手続きを済ませる
独立に必要な手続きを済ませることは、フリーランスの始め方の基本となるでしょう。
こちらで紹介する手続きは、その後の生活に直接影響するものばかりです。うっかり忘れると税金関連で面倒なことが起こったり、将来に不利益を被る事態が起こったりするかもしれません。しっかりと手続きを済ませて、フリーランスライフをスタートしましょう。
開業届の提出
フリーランスとして働き始めたら、まずは開業届を税務署に提出しましょう。絶対に出さなければいけないわけではありませんが、後で説明する青色申告に必要となったり、クライアントの信頼につながったりとメリットが多いので、有効利用することをおすすめします。
事業開始から1ヶ月が提出期限とされていますが、最悪過ぎてからでも問題ありません。屋号なども後から決めることができるので、とりあえず提出しておくといいでしょう。
白色・青色申告承認申請書の提出
フリーランスは、確定申告の際に白色と青色の2種類から選択が可能です。基礎控除しか受けられないが帳簿付けが簡単な白色申告か、複雑な帳簿付けが必要だが特別控除(10万or65万)が受けられる青色申告、どちらが自分に必要なのか事前に確認しておきましょう。
青色申告を受けるには、申告する年の3月15日までに書類を提出する必要があります。初めから青色申告の予定なら、開業届けと同時に手続きしておくといいですね。
国民年金への加入手続き
これまで会社員として厚生年金に加入していた人は、フリーランスになったタイミングで国民年金に切り替えておきましょう。基本的に退職後14日以内の手続きが必要で、居住区の区役所で行うことができます。
手続きには年金手帳や身分証明書、印鑑の他に、前職の勤務先と退職日が分かる書類などが必要となります。場合によっては書類を会社から発行してもらう必要が出てくるため、あらかじめ準備しておくのがコツです。
フリーランスの始め方②:経理周りを整備する
仕事にまつわる経理の整備も、フリーランスとして働いていくための大切な準備です。お金回りを細部まで管理したことがない人は多いと思いますので、一つひとつ始め方を確認して間違いのないように心がけましょう。
経理に関する作業は、面倒に感じることがあるかと思います。しかし、スムーズに仕事を進めていくためにも、きちんと時間をかけて準備をする必要がありますよ。
仕事用の通帳を作成
仕事の報酬や経費として使う分をまとめる通帳は、別で最初に作っておくとさまざまなメリットがあります。確定申告や収支の計算が楽になるだけでなく、各種ローンの信用につながることもあるので、ぜひ仕事用の通帳は持っておきましょう。
開業届けに屋号を記入したのなら、銀行でその名前を使った通帳を作成できます。複式簿記や会計ソフトを使う際にも便利なので、フリーランスの仕事専用の銀行口座はなるべく用意しておいてください。
請求書や納品書などの雛形の作成
フリーランスは複数のクライアントと契約を結ぶことも多いため、請求書や納品書の雛形を作成しておくことは無駄な時間の短縮につながります。いくつかのパターンを考案して、あらゆる依頼にすぐ対応できるようにしておきましょう。
ときにはクライアント側から形式を指示されることもあるため、その場合は相手の意向に従うようにしてください。
会計ソフトを用意
確定申告に必要な書類を手書きで作成するのはなかなか大変な作業となります。余計なストレスや時間をかけないためにも、専用の会計ソフトを用意しておきましょう。
特に青色申告を行う場合は、会計ソフトを利用すると正確な帳簿付けが可能になります。フリーランスになったばかりの人は、ぜひ会計ソフトを頼りましょう。
切手や封筒、印鑑などの備品を揃える
フリーランスの仕事には、多くの備品が必要となります。急な作業にも対応できるように、考えられるアイテムは手元に揃えておきましょう。
印鑑や切手、封筒といった備品は、フリーランスの仕事には欠かせないものとなります。契約をスムーズに進めていけるように、仕事用の備品をまとめておくスペースも作成しておきましょう。
フリーランスの始め方③:快適な仕事環境を作る
フリーランスは気持ちよく仕事を進められる環境を自分で整えなければなりません。効率アップや精神的な負担を減らすためにも、早めに納得できる職場を作り上げていきましょう。
自宅で仕事する際は主にパソコンを使うことになるはずなので、ネット環境やデスク周りの整備が求められます。少しでも使えそうなものは積極的に取り入れていくと良いでしょう。
仕事で使用するツールやネット環境の整備
まずは仕事で使用するツールやネット環境の整備が、フリーランスに必要なスタートアップです。必要であれば投資を行い、自分にとって最適な環境を早めに構築することをおすすめします。
会社員時代から利用しているツールやアイテムがあるのなら、フリーになってからでも役立てられるでしょう。いきなりすべてを一新すると慣れるまでに時間がかかるので、なるべく手に馴染んだものを利用するのもひとつの手段です。
仕事用メールアドレスの作成
クライアントとの連絡や仕事に使うネットサービスの利用には、メールアドレスが必要となります。プライベートのものと混同することのないように、最初から仕事用のメールアドレスを準備しておきましょう。
プライベート用のアドレスを使用してしまうと、休みの日まで仕事の連絡に悩まされてしまいます。きちんとした休息を取るためにも、基本的にメールアドレスは複数所持しておくことをおすすめします。
フリーランスの始め方④:仕事の受注方法を決めておく
フリーランスになったのなら、仕事は自分で探して受注しなければなりません。その方法にはいくつかの種類があるため、自分に合った仕事の探し方をチェックしておきましょう。
仕事がなければ生活は成立しないので、受注方法は数あるフリーランスの始め方の中でも最重要項目となります。いざというとき困らないようにあらゆる手段を把握しておきましょう。
営業を行う
フリーランスには仕事を得るための営業が欠かせません。少しでも興味が持てる、自分のスキルが活かせる仕事を見つけたなら、積極的に営業をかけてみてください。
営業は成功することばかりではないため、ときには納得のいかない仕事内容や報酬で契約しなくてはならないときもあるでしょう。そのため、仕事があるときも定期的に営業を行って、より良い仕事を探していくことがコツとなります。
既存の顧客や知人を頼る
既に仕事をもらっている顧客や会社員時代の知人なども、ときには新しい仕事を得る窓口になることがあります。仕事を探していることをそれとなくアピールして、紹介してもらうのもいいでしょう。
もちろんあまりしつこく迫って、信頼関係を崩してしまっては本末転倒です。あくまで今の関係と仕事を尊重し、節度をもつことを忘れないでください。
フリーランス専門のエージェントから紹介してもらう
フリーランスは専用のエージェントを介することで、効率良く仕事を見つけることができます。営業を代行して、自分の希望に合致する求人を紹介してくれるのです。
通常の求人にはないような仕事を紹介してもらえることもあるので、エージェントを有効利用できれば収益を大幅にアップさせられますよ。
クラウドソーシングで仕事を受注する
クライアントとフリーランスを結びつけるクラウドソーシングも仕事の受注先として候補に挙がります。自慢できるスキルや経歴に乏しい場合は、クラウドソーシングで実績を積み上げるのもひとつの方法です。
クラウドソーシングは報酬の未払いなどのリスクが低い半面、単価の安い仕事が目立ちます。労働時間や手間を考慮して、割に合わない仕事選びを避けていくのがコツとなるでしょう。
フリーランスの始め方⑤:覚悟を決める
フリーランスの始め方には多くのポイントがありますが、結局は自分のなかで覚悟を決めることが一番大切となります。何も考えずにフリーになっても決して長続きはしません。仕事に対して責任を持つためにも、自分なりの覚悟を決めるようにしましょう。
何の覚悟なしにフリーになるということは、現実逃避に近い行為です。なぜ自分はフリーランスになろうと思ったのか。その理由を今一度考えてみてください。
後から後悔しないようにフリーランスの始め方の全ておさえておこう
フリーランスの始め方を知ることは、将来後悔しないための準備にもなります。後から「こんなはずじゃなかった」とならないように、この機に考えられる方法は全てチェックしておきましょう。
スムーズに仕事を行っていくためには、フリーランスの始め方に関する知識が欠かせません。フリーになるという熱意を無駄にすることのないように、ぜひこの記事を有効活用してみてください。