フリーランスで働くITエンジニアが注目されていますが、データベースが扱えるフリーランスのエンジニアも例外ではありません。特に大規模案件が得意なOracleは、AWSなどのクラウドや機械学習などにも使われており、それを扱えるフリーランスを求める企業は少なくありません。
Oracle案件の単価相場
フリーランスのエンジニア向けの仕事は、スキルによって単価に大きな差があります。そして、エンジニアの数が比較的少ないこから、Oracleデータベース管理者向けの仕事の単価は比較的高めです。次から、Oracle案件の単価相場についてご紹介します。
相場は○○万円
フリーランスを対象にしたOracleデータベース管理者の単価は月に70万円ほどで、フリーランス向けの仕事としては比較的単価の高い仕事です。さらに、同じ業種でデータベースの管理経験があったり、スキル見合いによってはもう少し高い単価で契約できるケースもあります。
なお、Oracleが使えるだけでは、単価は高くはありません。Linuxサーバーのチューニングができたり、AWSに構築されたデータベースサーバーの管理経験があるなど、追加のスキルも合わせて求められます。
実務経験年数別の単価相場目安
フリーランスでもOracleデータベース管理者の経験が1、2年しかない方は、SQLデータの移行や整合性チェックなど比較的簡単な仕事が中心です。そして、そういった案件の単価は、月額30万円から50万円程度が目安です。なお、このような経験の少ない方向けの案件は、VBAやPHPなどのプログラムの知識を持っているとなお良いでしょう。
また、平均よりの単価の高い案件では、経験年数ではなく特殊なプラスアルファのスキルが求められます。例えば、Oracleのデータを統計パッケージを連携させたり、機械学習を組み合わせる案件は、それをこなすスキルを持つエンジニアは少ないこともあり、月額100万円から120万円の報酬が期待できます。
Oracleの特徴
無料のLinuxディストリビューションを利用すれば、MySQLやPostgreSQLといったデータベース管理ソフトが使えるのに、あえて費用の高いOracleを採用するのは、それだけの理由があります。Oracleの資格の勉強をされた方なら理解されていると思いますが、次からOracleの特徴についてご紹介します。
大規模案件が得意
データベース管理ソフトOracleの最初の版が販売されたのは1977年でした。そして、多くのライバルが市場から姿を消していく中、Oracleは常に最先端のアプリとして、多くのエンジニアに支持されてきました。
それだけ支持されている理由は、大規模な案件に使用するデータベース管理ソフトとして導入実績が多く、また安全に利用するための機能が幾つも用意されています。
信頼性が高い
昔から大規模な案件での採用例が多いOracleは、過酷な状況でも安定で動作するための改良を、何年にも渡って繰り返してきました。さらにOracleは、最初のバージョンから10回以上のメジャーバージョンアップを実施しており、その度に信頼性が向上しています。それだけOracleは信頼性が高く、メーカーのサポートも期待できます。
しかし、それだけOracleは信頼性が高いとはいえ、サーバーも含めて適切にチューニングしなければ、その信頼性が確保できません。それだけ、Oracleを管理するエンジニアの役割が重要だと言えるでしょう。
メーカー資格が評価される
さらにOraleの特徴は、IT系の資格では特に難易度が高いことで知られているメーカー資格を設定している点です。なお、Oracle社の資格は、BronzeからPlatinumまで4段階の難易度に分かれていますが、フリーランスとしてOracleデータベース管理を担当するなら、GoldまたはPlatinumの資格が必要です。
IT業界は、過去の実績が評価され、資格はそれほど評価されない傾向がありますが、Oracleは別です。試験や講習などの費用を個人で負担するには高価なので、フリーランスの方にとっては痛い出費かもしれません。しかし、資格を取得すれば、直接単価アップに繋がる資格なので、計画的に受験して資格取得を目指しましょう。
【最新】Oracleの今後の動向
オンプレミス向けの実績では他を圧倒するOracleですが、クラウドの活用などにより、最近は新規案件そのものが現象しています。そのためOracleでは、クラウドの活用や新規顧客開拓のための活動を始めました。次から、そういった新しい取り組みについて簡単に紹介します。
Oracle Cloudへの取り組み
クラウドと言えば、AWSのAmazonを筆頭に、GoogleやMicrosoftなどが有名です。しかし、こういったパブリッククラウドは、信頼性の確保が課題です。特にOracleのデータベースが扱うような、巨大で、かつ高い信頼性が求められる分野では、うまくいかないケースを見かけます。
そして、そういったパブリッククラウドの問題点を解決し、Oracleのデータベースをオンプレミス環境と同等に利用できるのがOracle Cloudです。なお、Oracle Cloudは、既にSoftware as a Serviceの分野で世界2位の実績があり、今後、日本での利用も増加が期待されています。
ITによる地方創生活動
ITが身近になり、公共データの利活用に関心を持ち、クラウドを活用したITによる地方創生を推進したい地方自治体が増えています。しかし、具体的な利用イメージが明確でない点や、人材不足が課題です。
このような状況を打開するため、Oracleは、IT化を推進したい自治体とリモートワークに熱心に企業を結びつける取り組みを始めています。
なお、Oracle Cloudに限らず、クラウド上に構築したシステムの管理、どこからでもできる点がメリットです。そのため、クラウド上のデータ管理に実績があるOracleエンジニアは需要が増加し、単価がアップすることが予想されます。
Oraclの案件でエンジニアが高単価の案件を獲得するためのポイント3つ
フリーランスのエンジニアがOracleの高額案件を獲得するには、Oracleの知識と管理経験だけでは不十分です。今求められているデータベースエンジニアは、従来のインフラエンジニアやサーバーエンジニアを兼任し、データの信頼性を保証し、サーバーのパフォーマンスを安定させられるエンジニアです。
データ信頼性スキル
先ほどご紹介したように、データベース管理にOracleを採用し、専任のエンジニアを雇って管理する理由は、データベースに格納するデータに重要な価値があり、そのデータを安全に情報システムで利用するためです。
そのため、高単価な案件を受注するには、データの信頼性を保証するためのスキルを身に付け、そのスキルをアピールしましょう。
OSスキル
大規模なデータを扱うことの多いOracleは、Oracleそのもののチューニングが重要ですが、サーバーOSのチューニングや機器の構成なども重要な要素です。さらに、AWSなどのクラウド上で運用されることも多く、管理を担当するフリーランスのエンジニアには、そういったインフラ関係のスキルも求められます。
そのため、OracleでSQLが組めたり、Oracleを直接操作できる程度では、高単価の案件は受注できません。高単価の仕事を目指すなら、Linuxサーバーの管理スキルはもちろん、クラウド上に情報システムを構築するスキルも勉強して、それをアピールしましょう。
メーカー資格の活用を
先ほどご紹介したように、Oralceの特徴の一つがメーカー資格であり、フリーランスで仕事をするならGoldやPlatinumレベルの資格が必要です。この資格はあなたのスキルを証明するものなので、仕事を受ける場合は持っている資格を必ずアピールしてください。
さらに、Oracleではデータベースの資格の他に、Linux(Oracle Linux)やハードウェア関係(Exadata)の
資格試験も実施しています。また、Linxuに関しては、Red HatやLPICなどの資格もあり、それらを取得していれば、自分のスキルの証明になります。そして、そのような周辺スキルの資格と合わせてアピールすると、より効果的です。
【まとめ】Oracleの案件でのエンジニアの単価は
Oracleに精通したITエンジニアの絶対数が足りないことから、フリーランス向けのOracleを対象とした案件の単価は、他の仕事に比較するとかなり高めです。しかし、Oracleに詳しいだけでは高い単金の仕事を受注できません。単価の高い仕事では、AWSなどのクラウドで使われたり、機械学習向けのビッグデータを扱うなど、プラスアルファのスキルが必要とされます。
フリーランスのデータベースエンジニアとして働くなら、データベースのスキルだけで満足せず、データベースが活用される様々な分野で働けるように、新しいスキルにもチャレンジしていきましょう。