言語別フリーエンジニアの単価相場と求人を探す際の注意点

現在、売り手市場といわれてエンジニアの単価が上がっているIT業界ですが、仕事を受注する上で相場を把握しておくのは非常に重要です。単価の相場を知らなければ、労働力を搾取されるだけになってしまいかねません。
単価で納得のいくエンジニア求人をみつけるために、単価の違いの見分け方を確認しておきましょう!

IT人材不足によってエンジニアの仕事単価は上がってきている

お金

平成28年に発表された経済産業省のレポート「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、近年のIT技術の発展と日常生活におけるIT利用の拡大から、IT技術者の需要が高まっています。現在、日本のエンジニアは業務系、基幹系のエンジニアだけでも約45万人いるとされていますが、2030年までには少なくとも41万人が不足するといわれています。
人材が不足する原因としては、スマートフォンのようなモバイル技術の浸透やSNS等Webサービスの宣伝利用、IoTによるモノとインターネットの連携など、あらゆる業界においてIT技術の活用が拡大しているためです。
そのため、サービスを開発して運用していくエンジニアの単価も需要の拡大に伴って上昇しています。

▼参考資料
経済産業省「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

単価の違いは「スキル」「開発行程」「地域」

男性

なぜエンジニアの単価は統一されずに、案件毎に異なるのでしょうか?
エンジニアの単価の違いとなる特性として、主に以下の3つが大きく関係します。

エンジニアの単価を大きく分ける3つの特性

  • スキル:言語によって単価相場が異なる
  • 開発工程:システム開発においてどの開発工程を担うなのか
  • 地域:ニーズが集中する首都圏と地方とでの違い

以上となります。ここからは、それぞれ一つずつ詳しく解説していきます。

スキル(言語)による単価の違い

男性

まずは、スキル(言語)によるエンジニアの単価の違いを解説します。
いくつかの言語を例に挙げながら紹介しますので、参考にしてみてください。

Java

■単価相場:50~65万
■需要:★★★★★
■供給:★★☆☆☆

  • 今後の動向:Javaエンジニアのニーズは今後も安定的に一定の割合で継続する見込みですので、大幅に単価相場が変動する可能性は低いと思われます。

詳しくはコチラ▶【Java求人の単価相場はどれくらい】フリーエンジニアなら知っておきたい案件の特徴と今後のニーズの動向

PHP

■単価相場:50~80万
■需要:★★★★★
■供給:★★☆☆☆

  • 今後の動向:WEBサービス関連の案件においては、今後も高いニーズが見込まれます。単価においては、大手WEBサービス企業やメガベンチャー関連の案件であれば高単価が期待できますが、中堅のWEB系受託会社関連の案件では、60万前後となるでしょう。

詳しくはコチラ▶【PHP求人の単価相場はどれくらい】フリーエンジニアなら知っておきたい案件の特徴と今後のニーズの動向

C#.NET

■単価相場:60~70万
■需要:★★★★☆
■供給:★★☆☆☆

  • 今後の動向:WEBサービス関連から、エンタープライズ系まで幅広いニーズがあります。今後は、RPAや仮想通貨関連の案件も増加すると思われます。また、単価に関しては案件により様々ですが、JavaScriptやReact.js、Node.js等のスキルも併せて習得することで単価アップが期待できます。

詳しくはコチラ▶【C#.NET求人の単価相場はどれくらい】フリーエンジニアなら知っておきたい案件の特徴と今後のニーズの動向

VB.NET

■単価相場:50~60万
■需要:★★★☆☆
■供給:★★☆☆☆

  • 今後の動向:C#.NETに比べると、案件数は減少傾向にあります。また、単価もさほど期待はできないでしょう。今後はC#.NETでのWEB開発へキャリア転換を検討したほうが良いと思われます。

サーバー構築/ネットワーク構築

■単価相場:60~70万
■需要:★★★★★
■供給:★★☆☆☆

  • 今後の動向:クラウドの出現により、オンプレミス系案件は減少傾向にありますし、単価アップも期待できないでしょう。今後は、AWSやMS-Azure、OpenStackをはじめとしたクラウド関連の経験を積むことで単価アップを実現できるかと思います。

Ruby

■単価相場:60~80万
■需要:★★★★☆
■供給:★☆☆☆☆

  • 今後の動向:案件数としては、増加傾向にあると思われます。また、経験者が少なくRuby以外の言語でWEB開発経験が3年程度ある方であれば、Ruby経験半年~1年程度でもOKの案件も少なくありません。他言語からRubyへのスキルチェンジもオススメです。

詳しくはコチラ▶【Ruby求人の単価相場はどれくらい】フリーエンジニアなら知っておきたい案件の特徴と今後のニーズの動向

Python

■単価相場:60~100万
■需要:★★★☆☆
■供給:★☆☆☆☆

  • 今後の動向:AI、ビッグデータ系の案件を中心にニーズが高まっています。とはいえ、経験者が非常に少なく、Python以外の言語での開発経験があれば、Pythonは独学レベルでも参画可能な案件も徐々に増えております。

詳しくはコチラ▶【Python求人の単価相場はどれくらい】フリーエンジニアなら知っておきたい案件の特徴と今後のニーズの動向

Cobol

■単価相場:40~50万
■需要:★★☆☆☆
■供給:★★☆☆☆

  • 今後の動向:生損保系を中心に、Cobolエンジニアのニーズは低単価ながらも継続的にあります。しかし、昨今はJavaへのマイグレーションのプロジェクトも多く、今後Cobolエンジニアのニーズが減少する可能性があることには注意が必要です。

VBA

■単価相場:40~50万
■需要:★★☆☆☆
■供給:★★★☆☆

  • 今後の動向:VBAエンジニアのニーズはそもそも大規模案件ではなく、小規模なものがほとんどですので、募集人数は少ないながらも比較的、随時募集がかかります。単価においては大幅な変動はないでしょう。

ヘルプデスク/テスター

■単価相場:30~40万
■需要:★★☆☆☆
■供給:★★★★☆

  • 今後の動向:20代~30代前半であれば、フリーランスとして今後も継続的に案件参画が期待できます。現在もそうですが、テスト設計やテスト計画の策定等、上流のテストエンジニアにキャリアアップすると、より単価アップも可能です。

開発行程による単価の違い

男性たち

システム開発における開発工程は、上流工程である「企画・要件定義・概要設計」、中流工程として「プログラム設計・プログラムコーディング」、下流工程となる「結合テスト・システムテスト」などに大きく分類できます。
これらのどの工程を担当するかによって、エンジニアの単価は異なってくるのです。

上流

上流工程である要件定義・分析にはアナリストといった役割のエンジニアが携わります。単価としては、要件定義・分析の中でも業務分析に関わる役割の場合は「月額約90万」、アプリケーション要件分析は「月額約80万」となります。上流工程でも"超上流"と呼ばれる業務分析を行う職種が単価が高い傾向にあります。
また、設計の工程にはアーキテクトと呼ばれる役割のエンジニアが携わりますが、システム全体を最適化する設計を行うエンタープライズアーキテクトとよばれるエンジニアであれば「月額約100万程度」の単価となっています。

下流

プログラムコーディング(実装)やシステムテストなどの工程では、デベロッパーといった役割のエンジニアが携わります。この工程ではプログラミングスキルにもよりますが、「月額約40~70万」が単価の相場となっています。
特にプログラミング言語別に分析すると、汎用機環境の大型案件が減少していく傾向にあるためCOBOL案件が収束し、反対にWeb関連の需要が高まるため、PHPやRubyが使えるエンジニアの単価は上昇傾向にあります。

地域による単価の違い

地球

エンジニアの単価相場は、活動する地域によっても異なります。特に、多くのIT企業が集中する首都圏のエンジニアの単価は地方に比べて高い傾向にあります。

地方より東京の方が単価が高い

都道府県別に比較してみると、東京の単価係数が1とした場合、例えば北海道、東北では約0.7(東京の技術者の単価の約70%)になるという傾向があります。需要の多さに比例してエンジニアの単価も増加することが考えられます。

しかし、これを逆に考えた場合、東京の企業においても場所を特定しない作業であれば地方のエンジニアを採用したほうがコスト減となることもあります。リモートワークができる場合は地方のエンジニアの採用を検討するという流れがあることも考えられるため、一概に首都圏のエンジニアにしか需要がないというわけではありません。

▼参考データ
ニアショア機構「都道府県別目安単価情報」

エンタープライズ系より、BtoCサービス案件のほうが単価が高い

パソコン

企業や公的機関を相手としたエンタープライズ系と、一般ユーザーを対象としたBtoCサービスがありますが、単価に違いはあるのでしょうか?

予算確保の背景が大きく異なる

エンタープライズ系の案件は、例えば、金融系や物流系のエンドユーザーから大手の元請SIerが受注したのちに案件化され、エージェントを通じてフリーエンジニアのもとに情報が届きます。元請SIerが受注する際には入札等があり、低予算での見積が入札、受注に大きく影響します。その結果、受注時の予算内で収める必要があり、最終的にエンタープライズ系は一人あたりの単価はある程度上限が決まってしまいます。

BtoCサービス関連の案件は、数万人~大きいものでは数百万人の一般ユーザーがサービスを利用し、収益性も高い為、人材獲得のための予算を多く確保される傾向があります。また、エンドユーザー企業から受注する性質のものではなく、サービス事業会社の裁量で予算確保が可能なため、高めの単価の案件が多く見受けられます。

能力が高くても単価が低い場合も

パソコン

フリーエンジニアは能力がものをいいます。つまり、能力が高ければ自ずと単価の高い仕事がに参画できます。
しかし、場合によっては能力値が高くても単価のいい仕事に参画できないことがあるのです。

高年齢

経験豊富な方でも、50代になると案件数は格段に減少します。年齢とのトレードオフで、少々希望単価を下げると案件参画しやすい傾向にあります。理由としては「技術トレンドについていけてなさそう」「既存メンバーは30代が中心で、年齢差によるギャップが懸念される」などが挙げられるため、単価を低めに設定されることが多いです。この点は、エンジニアの方々にとっては不本意な傾向かと思います。

外国籍

国内の案件においては、まだまだ外国籍の方を柔軟に受け入れてもらえる案件は非常に少ないと言えます。また、あったとしても、通常の2~3割ダウンぐらいの相場が多いように見受けられます。

エンジニアの求人を見る際の注意点4つ

書類

エンジニアの特性によって単価が異なる傾向について述べてきました。
ここからは、実際にエンジニアの求人を見る際の注意点をまとめましたので、参考にしてみてください。

必要な情報がしっかり記載されているか

求人を見る際は、どんな案件なのかを判断できるだけの情報が書いてあるかどうか注視しましょう。ひどい求人だと勤務地と必要言語などしか書かれていない場合があります。しかし、それだと実際に参画した際に「こんなはずじゃなかった」などとマイナスなギャップを感じてしまうでしょう。
そのため、勤務地や必要言語以外にも、開発規模や開発環境、スケージュールなどが書かれてあるかも確認しましょう。

企業が求めるスキルにマッチしているか

まず、求人(企業)が必要としているスキルをチェックしておくことが重要です。具体的には、自分が得意な言語なのかどうかを確認しましょう。求人にはその言語の経験年数などの条件が記載されていることが多く、企業は経験年数でスキルレベルを判断します。欲している技術レベルが明確なため、スキルアンマッチだと契約行為自体を履行できない可能性があります。

一般には公開されていない非公開求人がある

フリーエンジニアの求人には、一般には公開されていない求人があります。非公開求人は企業が応募の間口をあえて広げないようにするためのもので、特定のルートからのみエンジニアを探している場合がほとんどです。このような場合に求人がかけられるのは、以前から継続で発注したことのあるエンジニアや関連企業の紹介などが挙げられます。

「年収=単価×12ヶ月」では無い

エンジニアの年収は、「単価×12ヵ月」という考え方ではありません。あくまで、「プロジェクトに参画している契約期間×単価」が報酬となります。契約期間は1ヵ月の場合があれば、3ヵ月や半年ということもあるので、収入をベースに求人を選択する際は単価と契約期間に注意してください。

エンジニアの単価の違いはスキル・開発行程・地域によって異なる

エンジニアの単価は保有するスキルによって異なり、開発工程ごとでも異なります。上流工程の要件定義などの役割は単価が高い傾向にあり、下流工程のプログラム製造は上流に比べて低い傾向があります。また、言語別でみると開発需要が収束してきている汎用機環境のCOBOLなどに比べ、Web関連技術(PHP、Rubyなど)の言語は単価が上昇傾向にあります。
エンジニアの求人を選ぶ際は、求人のスキルと自身が保有するスキル見合いを見極めて、開発工程や契約期間などの観点から比較するようにしましょう。

フューチャリズムに登録する3つのメリット

本記事をご覧いただきありがとうございます。
フューチャリズムは、フリーエンジニアの方々を対象に案件をご紹介するエージェントサービスです。常駐型案件を多く揃えており、安定した収入を得るお手伝いをするとともに、さまざまな特徴で多くのフリーエンジニアから利用されています。

1.キャリアビジョン優先型の優良な高額案件

新卒・中途・エンジニア領域を含め年間2,000名以上マッチングを成功させてきたポート株式会社だからこそ、優良企業、成長企業からの高額案件が豊富で、85%以上の方が前職からの収入アップに成功しています。

2.案件参画後も続く継続的サポート

キャリアビジョンの方針が変わったとしても、お気軽にご相談ください。変更後のキャリアビジョンに合わせて最も効率的なプランを一緒に模索し、長期的にご支援させていただきます。

3.2,000名以上のエンジニアを支援経験

スキルやフレームワーク単位はもちろん、多種多様な開発ジャンル・希望される年齢層・クライアントの性質など、細かいレベルでの市場動向が把握できているので、幅広く柔軟な対応が可能です。

フリーエンジニアのことならなんでも相談にのります!
初めてのフリーエンジニアの方はもちろん、今までフリーランスで働いていたけど他の案件との比較をしてみたいという方も多くご登録いただいております。

まずは、お気軽にご登録ください。

おすすめの案件

この記事をシェア

はてブでブックマークする

記事についてのお問い合わせ・ご相談

フューチャリズムでは、記事の内容について細心の注意を払って作成しております。万が一内容に誤りを発見した場合、以下のコンタクトフォームよりお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。(詳細は注意事項をご確認ください。)

記事についてのお問い合わせ